6月27日。ライブハウス<南青山MANDARA>で、デビュー22周年を迎えた鮎川麻弥さんのソロ・ライブがあり、応援に行ってきました。
当日券を買って地下1Fの店に入ると、店内はすでに満席、立ち見が出る盛況です。かろうじて前のほうのテーブルに1つ空いていた席を確保。やがて黒い衣装で登場した鮎川さんは、間近で見ると思っていたよりずっと小柄でちょっと驚きました。それにきれいだー!
実は鮎川さんと私、ほぼ年が一緒なのです。デビュー当時はさっそうとしたクールなシンガーという印象がありましたが、年を重ねて、いい具合に柔らかくキュートになって、若いときより魅力が増したなーと思いました。オレもがんばろう!(なにを?)
鮎川麻弥。『重戦機エルガイム』(1984)の後期主題歌「風のノーリプライ」でデビュー。『機動戦士Zガンダム』や『機甲戦記ドラグナー』の主題歌を歌って一躍アニメファンの支持を集めたシンガーです。伸びのある澄んだ高音が魅力で、名前のイメージも手伝って、さながら流れる清冽な水のごとき印象がありました。アニメソングから離れた彼女はキングレコードからオリジナルアルバムを次々リリース、自ら作詞・作曲もこなし、本格的なヴォーカリストへの道を歩んでいたのですね。
90年代からはアニメファンの目に触れることは少なくなり、「どうしているのかしら?」と思っていましたが、CMソングやステージで活躍、またソングライターとして中山美穂らに曲を提供するなど、ずっと歌の世界で生きてきたのです。
この日は久々のソロライブ。自作のオリジナル曲からスタートして、洋楽や和製ポップスのヒット曲をまじえながらの2時間半ほどのステージでした。変わらない歌声に感動! 涼やかな高音も健在です。デビュー当時から完璧な歌唱力を持っていた彼女ですから、歌のうまさは言うことなし。声に艶が加わって、すてきな大人のシンガーになってます。
ひとくちにデビュー22年といっても、いろんなことがあったと思うのですよね。思うようにいかないことや、悔しいことや、逆に思いがけないよろこびや、かけがえのない出会いとかも…。この日<MANDARA>に集まったファンの多くも、鮎川さんにデビュー当時出会って20年余りを生きてきた人たち。鮎川さんの「お互い年とったよね」という呼びかけに苦笑しながらも、「共に同じ時代を歩んできたなぁ」という感慨が店内にふわーっと漂いました。鮎川さんの歌を聴きながら、「好きなことを捨てないで続けることって素敵だなぁ」「出会いは長く長く大切にしたいなぁ」と思ったんじゃないでしょうか。私は思いましたよ!
後半はさわやかな白い衣装で登場。夏の歌を集めたメドレー、オリジナル曲、『機甲戦記ドラグナー』EDの「イリュージョンをさがして」、デビュー曲「風のノーリプライ」と続いて、ラストは、2003年にリリースされた「鮎川麻弥ベスト」のために彼女が書き下ろした「ここから」。新しい一歩を踏み出そうという気持ちを歌った曲です。アンコールは「蘇州夜曲」。
「昔の歌をもう一度」的なライブではなく、「鮎川麻弥の今とこれからを聴いてほしい!」という気持ちの伝わるステージでした。新しい活躍を楽しみにしてますよ!
◎ビューティー・パワー・スーパー・セレクション/鮎川麻弥ベスト
アニメ主題歌、CMソング、自作オリジナルなど16曲を、24bitリマスタリングの高音質で収録。
同じシリーズで椎名恵、麻倉末稀、島田歌穂、白鳥英美子、西脇唯のベスト盤が発売されてます。