10月20日。銀座の老舗ジャズ・クラブ<スウィング>で、平原まことさん、宮川彬良さんのデュオライブがあり、行ってきました。
銀座スウィングといえば、宮川泰先生が自身のバンド「名匠・宮川組」を率いて毎月出演していた店。平原さんは「宮川組」のメンバーでした。そして、彬良さんは<スウィング>初出演。父ゆかりの店で、父が弾いていた同じピアノを弾くという、実にメモリアルな、思いのこもったステージだったわけです。彬良さん自身は、<スウィング>に「宮川組」の演奏を聴きにきたことはなかったのだとか。
この夜は2ステージ。1stと2ndで違う曲をやるというので、通しで聞かせていただきました。
1stでは「さっちゃん」と「あんたがたどこさ」の2曲でまず笑わせます。いつもコンサートで2人が披露しているネタですね。名曲「Blue Moon」でしっとりしたところで、スペシャルゲスト登場。平原さんの長女aikaさんです。アメリカでCDデビューした彼女が「Blue Sky」と「Orange Moon」の2曲を歌う。声質は次女・綾香さんとそっくり。ジャズを歌える歌手として活躍してほしいです。
続いて、宮川彬良作曲「開眼序曲」。もとはオーケストラ用のクラシカルな曲。壮大でした。モリコーネの「ニューシネマ・パラダイス」メドレーでノスタルジックなムードに。ラストは宮川彬良作曲、平原綾香が歌った「アリエスの星」をサックスとピアノで。カッコいい! この曲、もともとは1999年の単発テレビドラマ「青年は荒野をめざす」(原作:五木寛之/音楽:宮川彬良)の音楽だったんですって。
アンコールは平原さんがサックスをクラリネットに持ち替えて「すずかけの道」でした。
2ndは平原さんオリジナル曲から。「Moon Tears」「La Belle Pomme」と続きます。ふたたびaikaさんが登場して1stと同じ2曲。11月には日本でもCDが発売されるそうです。
ここで宮川泰先生を偲んで、「宇宙戦艦ヤマト」スローヴァージョンが登場。2人の演奏で「ヤマト」の名曲を録音したアルバム「アコースティック ヤマト」からの選曲です。いやー、銀座のジャズ・クラブで「ヤマト」が聴けるなんて。感無量です。そして、やはり宮川泰先生の名曲「あいたくてあいたくて」「若いってすばらしい」。平原さんのサックス、彬良さんのピアノ、気持ちが入ってましたね。
しんみりしたあとは、彬良さんの大ヒット曲「マツケンサンバ」で客席も一緒に盛り上がりました。ラストは平原さん作曲の「Heart」「Manhattan Moon」。いずれも「月の癒し」からの選曲です。アンコールに彬良さんの曲「心」。
2人の息もぴったりで、すばらしいライブでした。彬良さんの<スウィング>デビューを見守る客席の雰囲気もあたたかく、会場全体が音楽に包まれた幸せなひととき。宮川泰先生も一緒に聴いてくれていたような気がします。
◎月の癒し/平原まこと
平原さんのファースト・ソロ・アルバム。「日本で1本指に入る」((C)宮川彬良)という平原さんのサックスの音、ぜひ聴いてみてください。
◎月の癒し2〜もっと癒されて/平原まこと
1枚目の好評を受けてリリースされた2枚め。宮川泰、前田憲男、服部克久ら、そうそうたる顔ぶれが曲を提供しています。
◎アコースティック ヤマト
彬良さんアレンジとピアノ、平原さんのサックスで「ヤマト」の名曲を演奏したアルバム。奇しくも宮川泰先生を偲ぶような1枚となりました。
◎ai wo/aika
平原さんの長女 aika、日本デビュー盤です。