2007年09月28日

「Yes!プリキュア5」オリジナル・サウンドトラック1

 『Yes!プリキュア5 オリジナルサウンドトラック1 プリキュア・サウンド・ドリーム!!』発売中です。
 音楽はもちろん佐藤直紀さん。
 今回も構成・解説を担当しました。

 キャラクターが5人に増え、作品イメージも微妙に変化したことから、音楽も多少色合いが変わっています。ヨーロッパ調の日常曲や、ホラー映画風の敵側描写曲などが新しいところです。
 そして、プリキュアのアクション曲が豊富に用意されたのも、今回の特徴。サントラ第一弾ではちょっと出し惜しみしてますが、まだまだカッコいい曲が残ってますので、第2弾もお楽しみに。


<収録曲>
01.プリキュアキャッチ!
02.プリキュア5、スマイル go go! (TV size)/工藤真由
03.サンクルミエール学園
04.サブタイトル
05.のぞみのテーマ
06.青春は大忙し!
07.りんのテーマ
08.不思議な予感
09.うららのテーマ
10.センチメンタル
11.こまちのテーマ
12.迷う心
13.かれんのテーマ
14.忍び寄る影
15.決意
16.メタモルフォーゼ!
17.5つの心!プリキュア5!!
18.希望の絆
19.プリキュアキャッチ2!
20.ナイトメア
21.不安な夢
22.パルミエ王国
23.花咲く乙女たち
24.気になる気になる〜?
25.ココ&ナッツのテーマ
26.ピンキーキャッチュ
27.ドリームコレット
28.運命の出会い!?
29.イケメン登場!
30.私の夢、けってーい!!
31.闇からの使者
32.コワイナー出現!
33.激闘
34.危機
35.乙女の力、受けてみなさい!
36.あなたの夢がかなうまで
37.Yes!
38.キラキラしちゃって My True Love (TV size)/宮本佳那子


 1曲目の「プリキュア・キャッチ!」はAパート後のアイキャッチ曲。ここでは、『仮面ライダー電王』が終わったあとの番組告知「『Yes!プリキュア5』、このあとすぐ!」の雰囲気で入れてみました(実際はカラオケを編集して使用しています)。
 聴きどころは、5人それぞれのテーマ曲。Track.15「決意」も数々の名場面で流れた印象深い曲です。
 そして、変身テーマ「メタモルフォーゼ!」。長いヴァージョンと短いヴァージョンが作られており、今回は長いヴァージョンを収録しました。
 続く、「5つの心!プリキュア5!!」は、第1話のキュアドリームの戦いを彩ったアクション曲。その後も頻繁に使用されています。
 後半は、Track32.「コワイナー出現!」からアクション曲ブロックに突入。本編でも、「コワイナー出現!」「激闘」「危機」「乙女の力、受けてみなさい!」という順で流れていることが多いです。
 BGMパート・ラストの「Yes!」は、今のところ、もっとも多く使われているエンディング曲。明るく、「また来週!」という雰囲気です。

 今回のアルバムで特筆すべきはジャケットデザイン。これまでにないカッコよさです。ヒーローもの(?)はこうでなくっちゃ! ぜひ、手にとってみてください。

Yes!プリキュア5 オリジナルサウンドトラック1 プリキュア・サウンド・ドリーム!!

 : Yes!プリキュア5 オリジナルサウンドトラック1

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2007年09月19日

戸田恵子33年目のソロアルバム

 女優・声優として活躍する戸田恵子さんが、歌手としてソロアルバム「アクトレス」をリリースしました。

 もともと「あゆ朱美」の名でアイドル歌手としてデビューした戸田さん。歌手としては成功しませんでしたが、舞台女優、声優として才能を発揮し、現在の活躍ぶりはご存じのとおり。
 そんな戸田さんが、「もう一度歌に挑戦してみたい」との思いから作り上げたのがこのアルバム。、ビクターから歌手デビューして33年目、同じビクターからの歌手復活です。

 収録内容は、新曲・カヴァーなどとりまぜての10曲。あゆ朱美時代のセルフカヴァー「一人占い」や、三谷幸喜作詞・宇崎竜童作曲による「のっこのわがままブギ」、8分にも及ぶシャンソン「ささやかなジュゲーム」、BEGINのカヴァー「声のおまもりください」など、バラエティに富んだ内容です。

 反面、アルバムとしてのまとまりはいまひとつ。とはいえ、「ある女優の10代から50代の人生を追体験できる内容」とのコンセプトだそうですから、そのバラエティを楽しむのが正解でしょう。曲調も、R&B、ブギ、シャンソン、演歌調とさまざまで、女優として経験を積んできた戸田さんの豊かな表現力が楽しめます。

1.V.I.P (詞・曲:植木 豪(PaniCre))
2.ひとり占い (詞・曲:さだまさし)
3.のっこのわがままブギ (詞:三谷幸喜、曲:宇崎竜童)
4.女友達 (高橋真梨子のカヴァー)
5.ささやかなジュゲーム (詞:秋元 康)
6.声のおまもりください (BEGINのカヴァー)
7.強がり (詞・曲:中村 中)
8.里の秋 (童謡)
9.V.I.P - The Tribal Mix -

<Memorial Bonus Track>
10.コスモスに君と (『伝説巨神イデオン』エンディング)

 声優時代からのファンとして気になるのは、ボーナストラックとして収録された「コスモスに君と」!
 が、残念ながら新録音ではないんですね。キングレコードのオリジナル音源をリマスタリングして収録しています。ビクターのマスタリングなのでキングの音とはまた異なる印象になっているのが面白いところなんですが、新録だったらなぁ…。このアルバムの唯一残念なところです。

 そして、映像音楽ファンのさがなのかもしれませんが、すぎやまこういち先生が書いた27年前のこの名曲が、いちばん心に響く…。せめてライブだけでも、もう一度アニメ主題歌を、というのは無理な望みかな。

アクトレス (戸田恵子)

 : アクトレス

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2007年09月16日

和田薫 喚起の時II

 9月14日。
 千駄木の津田ホールで開催されたコンサート「和田薫 喚起の時II」を聴きました。
 日本音楽集団の第188回定期演奏会であります。

 演目は、

1.座興七重 (1989)
2.鹿鳴新響 (新作)
3.楽市七座 (1988)
4.海流 (新作)
5.3つの映像からの音像三連 (新作)
6.和楽器オーケストラのための三連譚“熾・幻・舞” (2006)

と、6曲のうち3曲が新作。和田さんが日本音楽集団と出会うきっかけとなった「楽市七座 」からの現代までの20年を振り返る充実の内容でした。

 日本音楽集団とは、尺八、笛、三味線、箏、和太鼓など日本の伝統楽器を使って、従来の邦楽の枠を超えた現代的な邦楽を生み出そうという集団です。
 和田さんとは交流が篤く、かの『犬夜叉』の音楽などでも、日本音楽集団のメンバが演奏に参加しています。

 今回は邦楽器の力をたっぷりと聴かせてくれる内容で、2時間があっという間。和田さんならでばの、日本的リズムを用いたダイナミックな音楽に酔いました。
 この日の注目は「音像三連」。『忠臣蔵外伝四谷怪談』『SAMURAI7』『犬夜叉』から選曲した劇中曲を組曲風にアレンジした作品です。ステージ後方には、各作品の映像(静止画でしたが)も映し出されるという趣向もあり、サントラファンにもうれしい内容となりました。
 ほかの曲と比べると、やはり映像音楽のほうがエンターテイメント寄りというか、よりメロディの立った聴きやすい曲になってますが、音楽の質は、純音楽も映像音楽も変わらない。
 これを機に、『ゲゲゲの鬼太郎』『ムシギング』『アイアンリーガー』『テッカマンブレード』『機神兵団』『サイレントメビウス』など、映像音楽作品だけを集めたコンサートもやってほしい! と切に願ってしまいました。

犬夜叉 音楽撰集 サウンドトラック・ベスト
 TVシリーズのサントラから選曲したベスト盤

 : 犬夜叉 音楽撰集

犬夜叉 音楽撰集 -映画編- サウンドトラック・ベスト
 こちらは劇場版音楽のベスト

 : 犬夜叉 音楽撰集-映画編-

SAMURAI 7 オリジナル・サウンドトラック
 昨年ようやくリリースされた待望のサントラ盤。林英哲と共作。

 : SAMURAI 7 オリジナル・サウンドトラック

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2007年09月10日

激しく美しい名曲「地球へ…」

 月刊『Newtype』の連載「作曲家名鑑」の10月号の登場は、『地球へ…』の高梨康治さんです。

 『地球へ…』の音楽を聴いて、「ぜひ取材したい!」と思ったんですね。

 新たなTVシリーズ版『地球へ…』の音楽担当が高梨さんと聞いたときは意外でした。『超星神グランセイザー』『幻星神ジャスティライザー』『NARUTO』などのアクションもののイメージが強かったのです。

 ところが、始まってみてびっくり。はかなく美しい女声コーラスの曲、ジョミーの苦悩を表すメランコリックな曲、ストリングスがリフを刻む緊張感たっぷりの戦闘曲。これまでの作品と一味違う音楽に圧倒されました。

 『地球へ…』の音楽では、高梨さんの新境地が拓かれたような印象があります。

 コラムにも書きましたが、『地球へ…』の音楽は、まるで頭の中から湧き出すように次々と出てきて、高梨さんは書き留める間も惜しい体験をしたそうです。
 その前に監督から『地球へ…』のイメージ、作品にかける思いなどをたっぷり聞かされて、意識の底で音楽が自然に熟成するように出来上がっていたのでしょう。それが、作曲にとりかかったとたんに噴出した。
 創作のひみつというのは作家本人にも説明できないものですが、そんな感じだったのではないかと思います。

 高梨さん独特のサウンドづくりのお話も印象的でした。ルーツはへヴィメタル。『グランセイザー』の音楽などに、その嗜好が色濃く反映しています。バンド活動でアレンジや作曲の経験を積むうちに独学でオーケストレーションを学び、「高梨サウンド」ともいうべき独自のサウンドを作り上げます。それは、オーケストラを使ったハードロック。ストリングスの編成や音色の配置、曲の構成などに、ロックの曲作りのノウハウが生かされているとか。
 オーケストレーションの理論を正式に学んだわけではありませんが、だからこそできるアイデア、工夫が、美しく燃える高梨サウンドを作っている。
 また、バンド時代に歌ものを多く手がけただけに、メロディにはこだわりがあるそうです。

 「映像を補うのではなく、映像と互角に拮抗しあうような力強い音楽を作りたい」

 その言葉に負けない、魅力的な音楽の数々が、これからも生まれてくることと期待しています。

地球へ… Original Soundtrack
 初回版は右の透明スリーブケースつきです。

 : 地球へ… Original Soundtrack 地球へ… Original Soundtrack

 10月3日には第2弾も発売!

地球へ… Original Soundtrack II

 地球へ… Original Soundtrack II

 Soundtrack IIでは、ナスカ編以降の曲を中心としたBGMに加え、TVサイズOP、ED(前期・後期の2種)と、劇中でも流れた'80年劇場版の主題歌「地球へ…Coming Home To Terra」がジョミー役・斎賀みつきの歌で収録されます!(原曲はダ・カーポ)

posted by 腹巻猫 at 12:36| Comment(0) | TrackBack(0) | CD

行ってきました「蒔田尚晃と冬木透の宇宙」

 9月5日。すみだトリフォニー小ホールで開催されたコンサート

 「蒔田尚晃と冬木透の宇宙」

に行ってきました。

 プログラムは、冬木透が本名・蒔田尚晃の名で書いた純音楽作品と、冬木透名義による商業音楽作品をとりまぜて演奏する内容。

1.コラール前奏曲 (蒔田尚晃)
2.無伴奏チェロソナタ (蒔田尚晃)
3.魔笛の主題による変奏曲 (冬木透)
4.ピアノのためのソナチネ (蒔田尚晃)
5.帰ってきたワンダバ (冬木透)
6.ピアノのための交響的組曲「瀬戸内」 (冬木透)

(休憩)

7.封印の書 (蒔田尚晃)
8.交響詩「ウルトラセブン」 (冬木透)
9.3年B組の木遣り歌 (蒔田尚晃)

アンコール:ウルトラの母のバラード (冬木透)

 演奏は正規のオケではなく、蒔田尚晃の教え子たちによる混成演奏家チーム。ピアニスト5人、ヴィオラ奏者1人、チェロ奏者1人、パーカッション奏者1人という8人だけです。

 前半では、「帰ってきたワンダバ」に感激。『帰ってきたウルトラマン』M63,M3,M71,M21をベースにビブラフォンとピアノでアレンジしたミニ組曲です。『帰マン』のBGMはやっぱりいいなぁ。ビブラフォンって、冬木先生の音の中でもとても目立ってるんですね。
 そして、「交響的組曲「瀬戸内」」は『鳩子の海』の劇中曲をアレンジした作品。懐かしくあたたかい旋律に胸が熱くなります。

 後半では前衛的かつダイナミックな「封印の書」に圧倒されました。パーカッションとフルートがスリリングな掛け合いを聴かせる曲です。こんな曲も手がけていたとは、冬木音楽は奥深い。
 本コンサートのメインプログラムとなる「交響詩ウルトラセブン」。しかし、前述したように演奏者はたった8人。これで「交響詩」が演奏できるのか!?
 なんと、みごとなアレンジで聴かせてくれました。2台のピアノに2人ずつピアニストがついて連弾。ヴィオラ、チェロとパーカッションが2人。ピアニスト1人がパーカッション演奏を担当したのですね。
 ピアノ連弾が2組だからピアノ4台と同等の効果があります。高音と低音をうまく重ねて、音に厚みと立体感を出している。「1人のオーケストラ」と言われるピアノですから、これだけでも音が豊かにきこえるんですよ。ホルンをピアノのグリッサンドで表現するアイデアには驚き。
 そして、パーカッション。ここでもビブラフォンが効いてます。第一楽章冒頭の侵略者の主題でビブラフォンがポーンと入ると、たちまちウルトラセブンの音になる。
 なお、原曲は第四楽章でギローンというピアノの内部奏法(ピアノの弦を金属でひっかく音)が入るんですが、それは再現されてませんでした。やはり、ピアノが痛むからなのか…。

 アンコールには冬木先生が登板し、この日の朝書き上げたという「ウルトラの母のバラード」の演奏会用ピースを指揮されました。実はこの日演奏された「交響組曲「瀬戸内」」や「交響詩ウルトラセブン」は冬木先生の編曲ではないんですね。が、この「ウルトラの母のバラード」は冬木先生の手によるもの。まぎれもない「冬木透の音」にじーんときました。

 終了後、冬木先生にごあいさつ。
 演奏会、もっとやってほしいなぁ。今なら、「シルバー假面」&「怪奇大作戦セカンドファイル」の演奏会もいけますよ!

posted by 腹巻猫 at 00:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ライブ/コンサート