東映サイドから情報解禁と言われたので書きますが、
今年(2008年)の戦隊『炎神戦隊ゴーオンジャー』の音楽は、大橋恵さん!
戦隊シリーズ初の女性作曲家です。
いやー、うれしい。
私はブログや雑誌で、つねづね大橋さんの音楽を絶賛してたんですよ。
2006/07/15「ザ・サード〜蒼い瞳の少女〜」 ←プロフィールや旧作についてはこちらを
2007/10/13「大橋恵の新作「BLUE DRAGON」
そのダイナミックでサントラ魂をくすぐる音楽に感動して、『トランスフォーマーGF』放映開始直後に雑誌で紹介。ラブコールが実って(笑)、『ザ・サード』ではサントラ盤の構成と解説を担当させていただきました。
「いつか戦隊音楽をやってほしい!」と願ってたんです。
こんなに早く実現するとは!!
先日、都内のスタジオで音楽録音があり、見学に行ってきました。
正月返上だったという大橋さんですが、『アバレンジャー』を経験しているので、修羅場は想定の範囲でしょう。年賀状の返事に「曲数の多さは大変ですが、楽しんで作曲できてます」とたのもしい言葉をもらってました。
出来は、期待どおり! いや、期待以上!
大橋さん、弟がいた影響で少女時代から戦隊ものなどのヒーロー番組に親しんでいたそうです。 そして、作曲の師匠が黒澤映画や大河ドラマの音楽で知られる池辺晋一郎さんと『ウルトラマンガイア』『仮面ライダー電王』などの佐橋俊彦さん。その血の濃さにめまいがします(笑)。
そうした環境のせいか、女性とは思えないようなダイナミックでパワフルな曲を書く。
その曲が、なんとも燃える音楽のツボを押さえているんですよ。
言葉では表現しづらいんですが、「ここで鳴ってほしい」というところでちゃんと鳴るポイントを押さえているし、盛り上げるためのタメや曲の展開が絶妙です。
動きのタイミングや構図を押さえた映像が心地よいように、そういうツボを押さえた音楽は聴いてるだけで気持ちが高揚するんです。
「王道のヒーロー音楽だぁ!!」と胸が熱くなりました。
大橋さんならではの色も入ってます。
アクション曲というとブラスでパワフルに押しまくるのがパターンですが、木管やストリングスが活躍する。アップテンポのストリングスとブラスのかけあいなどぞくぞくします。
それからホルン。アクション曲でホルンが主旋律を吹くなど、「おっ」と思わせる使い方をしてます。ウルトラセブン的な合いの手もあるし、ホルンが鳴ると安心感がある。ホルンは「正義」の音なんですね。
そうした工夫が効果を上げて、「燃えるけれども清清しい」印象の新しい戦隊音楽が誕生したと思います。少年がまっすぐ前を見つめているような、正義と勇気の音。
今年の戦隊は、汗臭い熱さじゃなくて、心が燃え立つ熱さですよ!