2008年02月29日

「天元突破グレンラガン」サントラ DISC2

 前回につづき、「天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック」の曲目を紹介していきます。
 構成は、DISC1が第1部と第2部途中まで。DISC2が第2部から第4部まで、の雰囲気でまとめられています。

[DISC2]

  1. 愛・掴みますII *
     アイ(愛)キャッチ曲。
  2. ラップは漢の魂だ!無理を通して道理を蹴っ飛ばす!俺たち大グレン団のテーマを耳の穴かっぽじってよ〜く聴きやがれ!!(Short Start Edit)
     大グレン団のテーマは、カミナのテーマから展開したラップ曲。カミナが仲間を得たことに合わせて、ヴォーカルの人数も増えています。
  3. 旅ってなぁ疲れるもんなんだよ *
     ファンキーな日常テーマ。3話でカミナとヨーコが狩をするシーンに使われてます。
  4. 「萌え」っていったい…? *
     10話でシモンがニアにカミナの思い出を語る場面で流れた、回想のテーマです。フルートとピアノというシンプルな構成。
  5. 暗闇の中で何を考えてやがるッ!! *
     「探索」の雰囲気のミステリー曲ですが、アンビエント・テクノ風に仕上がってます。
  6. BafBaf! そんなに燃えるのが…好きかい?
     もともとは2つの曲で、前半は戦闘準備の曲、後半は『グレンラガン』全編を通じてもっとも耳に残るバトル曲です。「BEST SOUND」にも収録されたので、CDを聴いて「これだよ、これ!」と思った人も多いでしょう。TVでは聴こえにくいですが、意外とリズムが今風の音なんです。
  7. 超合体(合体挿入曲第二番K3845プログレ) *
     ラスボスとの決戦を想定して書かれた、大危機を描写する曲。
  8. 回って回って回って回っ!? *
     テッペリンとの決戦をイメージした曲で、第2部の四天王対大グレン団の戦いのシーンに使われています。
  9. 回って回って回って回ってててて…
     テッペリン用に書かれた曲。14〜15話のテッペリン攻略戦を盛り上げました。「回転」のイメージがサウンドで表現されています。
  10. 熱砂の荒野を抜けて大グレン団が行くのだ
     砂漠を進む大グレン団をイメージして書かれた平和曲。
  11. 愛・掴みますIII *
  12. 愛・掴みますIV *
     アイキャッチ続きます。
  13. 月日は百代の過客なり *
     物語は第3部に突入。第17話冒頭のカミナシティの場面に使われたアンビエントな曲です。
  14. アダイ村のデコ助 *
     第5話のロシウの村のエピソードで流れたオカリナの寂しい曲。ここでは、ロシウの孤独のテーマとして収録されているようです。
  15. メガネで決めよう *
     成長し、シモンと対立していく大人ロシウのテーマ。眼鏡軍団のテーマ的に使われてます。
  16. どうだ!俺のトランペットは凄いだろ!!
     幾何学的なイメージのアンチスパイラルとのバトル曲。安易な感情移入を拒むようなソリッドな曲調で、これまでと違う敵をみごとに描写しています。
  17. ラップは漢の魂……だった…よな…
     第19話のラストで、拘束されるシモンの姿に重なって流れた曲です。
  18. リゾートライフのイロハ *
     パーカッションと管楽器風の音色が南の島を描写する曲。20話のヨーコと島の子どもたちのエピソードで使われました。
  19. ポイズンプリズン *
     18話で、市民たちがグレンラガンをなじる場面などに使用された不穏な曲。
  20. 誰かが誰かを恨んでる *
     第18話でロージェノムが螺旋力の真実を語る場面に流れました。
  21. The Blue monday e”r”ectrical parade
     ムガンとのバトルにかかる無機質なイメージの曲。現代音楽を学んだ岩崎さんらしい1曲。
  22. “Libera me”from hell
     最終決戦用に用意された、岩崎さん入魂の1曲。ラップとコーラスとのかけあい(対立)が、グレン団とアンチスパイラルとの戦いを描写しています。
  23. Love Conservative
     シモンとニアの愛のテーマです。第17話でシモンがニアにプロポーズする場面、最終話ラストの二人の結婚式の場面に流れています。
  24. お前の×××で天を… *
     第8話でカミナがヨーコに「戻ったら10倍返しだ」と言う場面に流れた曲です。第11話では、ニアがヨーコに髪を切ってもらう場面にも使われています。
  25. お前の×××で天を衝け!!
     『グレンラガン』のメインテーマとも呼べる曲で、第1話で、カミナが「お前のドリルで天を突け!」と叫ぶ場面はじめ、数々の名場面に使用されてます。予告編音楽もこの曲。25話の最終決戦の場面に選曲されました。

 以上、駆け足で収録楽曲を紹介してみました。「パッケージを見ただけでは、どんな曲が入ってるのかわからない…」という方の参考になればと思います。

 とかなんとか言ってたら、本家「天元突破グレンラガン 公式サイト」のほうでは、岩崎琢さん本人がサントラ収録曲の解説を連載しているそうではないですか!? 購入された方も、買おうかどうしようか迷っている方も、ぜひぜひ読んでみてください。公式サイト左メニューの「スペシャル」から飛べます。

天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック
 バックはご覧のとおり、もうひとつの顔。

 : 天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック

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2008年02月27日

こんどは2枚組!「天元突破グレンラガン」

 リリースから3週間経っちゃいましたが、「天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック」発売中です。
 昨年10月にリリースされた「天元突破グレンラガン BEST SOUND」は、歌とBGMと特典映像(DVD)を収録した3枚組。今回の「サウンドトラック」はBGMのみを収録した2枚組です。BGMの収録曲数は倍に増えてます。

 BGM目当てに「BEST SOUND」を買っていただいた方には大変申し訳ないんですが…、「BEST SOUND」収録曲は今回のサウンドトラックにほぼそっくり収録されてます。そもそも「BEST SOUND」が特別仕様の期間限定生産商品で、今後はこちらがスタンダードな商品として末永く売られていく、ということで了解いただきたく……。

 選曲・構成、曲タイトルは、「BEST SOUND」と同じく作曲の岩崎琢さん。イメージアルバム的な前作に比べ、より物語の展開に沿った構成になっています。とはいえ、曲名には岩崎さんらしい“毒”が仕込まれていて、「そこらの燃えるサントラと一緒にするとやけどするよ」(by 銭形愛)て感じですね。

 番組ファンには、「BEST SOUND」でオミットされた楽曲の数々が初収録されたことがうれしい。「BEST SOUND」に物足りなかった方は、こちらも手にとっていただければうれしいです。

 私は音楽解説を担当しています。「BEST SOUND」で岩崎さんにインタビューしたので、今回は取材はなし。かなり苦労しました。というのは、「BEST SOUND」のインタビューで『グレンラガン』の音楽のねらい、コンセプト、バックグラウンドなどは語りつくされているのですね。いまさら岩崎さんの言葉に付け加えることはない。
 とはいえ、「BEST SOUND」を買わずに「サウンドトラック」を買う人もいるので、インタビュー内容に触れないわけにもいかない。
 ターゲットとしては、コアなサントラファン、アニメファンよりも、広く『グレンラガン』のファン。はじめてサントラを買う人もいるかもしれない。
 といろいろ悩み、結局、サントラをより興味深く聴いてもらうためのガイドとして、インタビュー内容も引用しつつまとめました。

 紙数があれば、1曲ごとに解説をつけたかったのですが、果たせませんでしたので、この場を借りて簡単にコメントしてみます。

[DISC1]
 ※曲名のあとに「*」をつけたのが本CD初収録曲。

  1. 仕方ねえ!1分20秒だけ媚びてやる *
     「BEST SOUND」では編集して収録されていた第1話冒頭の音楽のフルヴァージョン。
  2. モグラはモグラのままなのか?
     1話でシモンが穴掘りをしている場面の曲です。
  3. ラップは漢の魂だ!己を信じて天を指差す怒涛の男・カミナ様のテーマを耳の穴かっぽじってよ〜く聴きやがれ!!
     サントラ史上、もっとも長い曲名なのではないでしょうか。将来、研究家が曲名を紹介するのに苦労しそうな…(^^; ラップで歌われるカミナのテーマです。
  4. ブタモグラは螺旋の夢を見るか? *
     1話でシモンたちグレン団がブタモグラに乗って地上に向かう場面のドタバタ曲。モダンジャズ風のペットがいい感じ。
  5. ボインVSボイン
     ヨーコのテーマ。スバリの曲名ですね。
  6. 燃えてばかりでいいのかい? *
     もともと2つの曲で、前半は緊迫感を盛り上げるサスペンス曲。後半は1話のヨーコ登場シーンはじめ、よく使われたバトル曲です。
  7. お前の×××で天を衝け!! 〜初めて見た地上ver.〜 *
     DISC2のラストに収録された「お前の×××で天を衝け!!」のヴァリエーションで、第1話のクライマックスのために用意されたヴァージョンです。
  8. 骸骨になっちまったカミナの親父に寄せる哀歌
     カミナの寂しい思いを描写する曲。サックスでメロウに奏でられる哀歌です。
  9. 狼が来た!!
     敵の脅威を描写するクールなタッチの1曲。メニューには「悪意の匂い」とも書かれてます。
  10. Nikopol
     ヴィラルのテーマです。挿入歌ではなく、純粋にBGMとして作られました。わざわざ作詞して歌入れまでしてしまうところがすごい。曲タイトルは海外コミックスから引用されているようですが、岩崎さんに確認したわけではないので、確言は避けておきます。
  11. 月と星とア・タ・シ
     リットナー渓谷のシーンに当てて作られた曲。2話、7話などで流れています。
  12. 萌えろ三姉妹 *
     タイトル通り、キヨウ、キノン、キヤルの「黒の三姉妹」のテーマ。第4話ではじめて流れました。
  13. ああああッ!骸骨がぁ!! 骸骨がぁ!!! *
     7話の螺旋四天王登場シーンで使われた不安曲。
  14. お前ら全員燃えてしまえっ!!!
     もともとは、シモンの怒りを描写する曲。後半のダイナミックな部分が、8話でカミナがやられる場面や、15話のラゼンガン対グレンラガンの場面などで、印象的に使われています。
  15. お前の×××よ、そそり立て! *
     「お前のXXXで天を衝け!」のヴァリエーションで、第1話でシモンが夕日を見て「きれいだなぁ」というラストや、最終話のラストで使われた大団円の曲。
  16. He is so ××× *
     リーロンのテーマです。
  17. ラブリーボイン *
     ヨーコの恋心を描写する曲。
  18. Peeping Tom *
     6話の温泉シーンで使用されたお色気曲。こういう、力の抜けたような曲も『グレンラガン』音楽の魅力と思う。
  19. 髭とハーレム *
     ロージェノムの王宮のテーマ。こういうタイトルにしますか、岩崎さん…(笑)。
  20. 親父の塊 *
     ロージェノムのテーマ。敵の首領のテーマとは思えない曲名なんですけど…。螺旋王の冷酷さを描写する曲。
  21. お前なんか信じられっか! *
     心理的対立、葛藤のテーマ。9話などで使用。
  22. 今は準備が必要なんだよ!! *
     決意のテーマです。合体前に高まる緊張!
  23. 合体なんてクソくらえ(合体挿入曲第一番 ハ短調アレグロ K2564)
     放映当時話題を呼んだ、グレンラガン合体のテーマ。本来は合体シーンを想定して書かれた曲ではないですが、パワフルな曲調から合体の曲として定着しました。ようく本編を見ていると、いわゆる合体バンクの曲ではなく、カミナやシモンの心が熱く燃えるさまを表現する曲として使われているのがわかります。11話ではグレンラガンがフルパワーで活躍する場面に使用。2話のグレン活躍シーンには、ヴォーカルの入っていないヴァージョンが使用されています。
  24. 「萌え」っていったい何ですか?
     ニアのテーマ。このタイトル大好きです。
  25. お前の×××で…
     友情を描写するしっとりしたピアノ曲。
  26. 愛・掴みますI *
     アイキャッチです。「愛・キャッチ」⇒「愛・掴みます」というしゃれですね…(^^;

 長くなったので、続きは次の記事で。

天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック

 : 天元突破グレンラガン オリジナルサウンドトラック

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2008年02月22日

今年も燃える!「伊福部昭音楽祭」

 昨年に続き、今年も「伊福部昭音楽祭」が開催されます。


【公演日】
 2008年3月16日(日)

【会場】
 杉並公会堂 全館 「伊福部昭音楽館」(大ホール/小ホール/グランサロン)
 交通・アクセスはこちら≫

【タイムテーブル】

 10:45  開場

 11:00  映画上映「大坂城物語」(東宝1961) ◎小ホール
(終映12:40)

 13:30  シンポジウム ◎小ホール
      「伊福部昭が残したもの
       −未公開映像にみる伊福部昭の素顔」 
       パネリスト:今井重幸/岩瀬政雄/小林淳/松下久昭
       司会:片山杜秀

 14:30  サロン コンサート「ギターの響き」 ◎グランサロン
       ギターの為のトッカータ(1970)、他/演奏:哘崎孝宏/他

 16:00  メイン コンサート ◎大ホール

  • 「ピアノ組曲」(1934)
  • 二十五絃箏甲乙奏合「ヨカナーンの首級を得て、乱れるサロメ」−バレエ・サロメに依るー(2004)
  • 「ヴァイオリンと管絃楽のための協奏風狂詩曲(第一楽章)」《音楽祭特別版》(1971/2008)
  • 室内オーケストラのための「土俗的三連画」(1938)
  • [Hommage to Akira Ifukube](松村禎三)
    《《 伊福部昭映画音楽 》》
  • 聖なる泉(オーケストラ版/“ゴジラvsモスラ”より)
  • コタンの口笛(オーケストラ版/“アイヌの叙事詩に依る対話体牧歌”より)
  • 「ゴジラ」より《オリジナル版》
  • 「大坂城物語」より

(18:30 終演予定)

【メインコンサート出演者】
 木村かをり、野坂操壽、小宮瑞代、萩原淑子、藤田崇文、藍川由美、堀俊輔
 管弦楽:伊福部昭記念オーケストラ

【主催】
 伊福部昭音楽祭実行委員会

チケット【入場料】

 S席5,500円 
 A席4,300円 
 B席3,200円 (△ B席:残りわずか 1/30現在)
 C席2,000円 (× C席:予定枚数終了)

 車椅子S席1,000円


 昨年はサントリーホールを会場にコンサート中心の音楽祭でしたが、今年は、映画上映、サロンコンサート、シンポジウムなどバラエティに富んだ内容になってます。個人的には、サロンコンサートなんか楽しみ。

 S席、A席はまだ席に余裕があるようですが、会場がやや小さくなっているのでお早目に。かなりお得感のある価格設定と思いますよ。チケットぴあなどで購入できます。

 Ifukube2008_a Ifukube2008_b

伊福部昭の芸術9 伊福部昭音楽祭
 こちらは昨年の音楽祭のライブ録音盤。

 :伊福部昭の芸術9 伊福部昭音楽祭

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2008年02月20日

窪田ミナ初のソロ・アルバム「モーメント」

 窪田ミナさんの初のソロ・アルバム「モーメント」、2月20日にリリース!

 窪田ミナさんといえば、アニメ『カレイドスター』の音楽ですよ。
 『カレイドスター』はショーステージの世界を舞台にした熱血少女アニメ?(笑)で、いまだに熱心なファンのいる快作です。先日、作曲家の崎元仁さん(『ロミオ×ジュリエット』の音楽担当)にお話をうかがっていたら、崎元さんも『カレイドスター』の大ファンということがわかって、つい話が脱線してしまったり。サントラCDを待望していたのに、ミニアルバムにBGMが数曲収録されたのみ。単体の音楽集は発売されず、DVD-BOXの特典のみのリリースとなって悔しい思いをしたのでした。

 その後、窪田さんは、ちょっと変わったラヴ・ファンタジー・ドラマ『14ヶ月 〜妻が子供に還っていく〜』や、及川光博主演の『ミステリー民俗学者 八雲樹』の音楽を担当。私の中では、ひそかに注目している作家の一人でした。

 そんな窪田ミナさんが、映像音楽をはなれて作ったオリジナル・アルバムが「モーメント」。
 アニメ『ARIA』シリーズやドラマ『マイリトルシェフ』に書いた曲のセルフカヴァーをはじめ、自身のピアノをフィーチャーした12曲を収録。サントラ・ファンにも見逃せない1枚になってます。

 想いが通じて(^^;、先日、お目にかかる機会がありました。

 このソロアルバムは、3年越しの企画なんだそうです。映像音楽の仕事が入るとそちらが優先されてしまうため、仕事の合間に1曲録り、2曲録りという進行で、完成までに3年かかってしまったとか。
 アルバムタイトルにもなった「モーメント」ほか4曲は、学生時代をすごしたロンドンで録音。懐かしい恩師や音楽仲間との再会もあり、録音は楽しいものだったそうですよ。

 窪田さんの言葉によれば、「コンセプトは、ピアノと打ち込みと生楽器(ストリングス、木管、金管)の異色の組み合わせ」。ピアノとプログラミングもご本人によるものです。
 『ARIA』シリーズで聴かれる美しく繊細な旋律もすてきだけれど、このアルバムでは、クラシカルなだけでない、現代的なサウンドを聴くことができる。

 シンセの音色とピアノの音がふしぎなイメージの広がりを聴かせる「アルケミスト」。
 弦とピアノと打ち込みのリズムのアンサンブルがドラマティックに盛り上がる「ザ・ワールド・アラウンド・アス」。
 CDドラマみたいに、レストランに訪れる客の声が導入になり、アコーディオンのアレンジに引き継がれる「マイリトルシェフ」。
 ピアノの速いパッセージとヴィブラフォンのきらめく音色が掛け合いを演じる「ボナペティ!」、などなど。

 こちらの先入観のせいかもしれないけれど、映像を離れているのに、実に「サウンドトラック的」。聴いていると絵が浮かんでくるようなイマジネーションに満ちてます。
 本人も特に気に入っているのは、「ハルシネーション」と題した1曲。
 英国の路地を歩いていると、小さい路地にどんどん入り込んで、古びたドアがあったり、風変わりなおじさんがいたりして、ふしぎな世界に迷い込んでしまったような気分になることがあるそうです。そんな「ふしぎの国のアリス」みたいな世界を描いた曲です。

 ロンドン(英国王立音楽院)ではコンテンポラリーな音楽技法も学んだ窪田さん。学生時代に現代音楽の大家ジョルジュ・リゲティの前で自作曲を自演し、拍手をもらったこともあるとか。まだまだ全開にしてない引き出しがあると思うんですよ。これからどんな音楽をつむぎだしてくれるか、楽しみです。

モーメント

 : モーメント

<収録曲>

  1. モーメント
  2. アルケミスト featuring vocal:Connor Borrows
  3. ウンディーネ featuring vocal:隼人加織
  4. 深縹(こきはなだ)
  5. ザ・ワールド・アラウンド・アス
  6. ハルシネーション
  7. マイリトルシェフ featuring accordion:水野弘文
  8. ボナペティ! featuring vibraphone:三村奈々恵
  9. スピラーレ
  10. TWOSOME
  11. フラジャイル
  12. エコーイング・サイレンス

※ ウンディーネ: アニメ『ARIA The ANIMATION』OPテーマ
※ スピラーレ: アニメ『ARIA The ORIGINATION』OPテーマ
※ アルケミスト: 『ソロモン流』EDテーマ
※ マイリトルシェフ: ドラマ『マイリトルシェフ』テーマ曲
※ ボナペティ!: ハウス「カリー・デュ・シェフ」CM曲


カレイドスター 〜2枚目のすごいミニ・アルバム〜
 BGMを含むミニ・アルバム。フル・サントラ熱望!

 : カレイドスター 〜2枚目のすごいミニ・アルバム〜

ARIA 〜ピアノ・コレクション〜 スタジオーネ - 季節
 ピアノソロ・アルバム。妹尾武と共作。

 : ARIA 〜ピアノ・コレクション〜

マイリトルシェフ オリジナル・サウンドトラック
 日本で担当した初の映像音楽作品。

 : マイリトルシェフ オリジナル・サウンドトラック

14ヶ月 〜妻が子供に還っていく〜 オリジナル・サウンドトラック
 高岡早紀が蒼井優になっちゃうドラマでした。

 : 14ヶ月 〜妻が子供に還っていく〜 オリジナル・サウンドトラック


窪田ミナ Profile> ビクターの公式ページ

 最新作は、『ガオガイガー』の米たにヨシトモ監督によるOVA『星の海のアムリ』。

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2008年02月18日

バカラック!バカラック!

 2月17日。バート・バカラックの来日公演に足を運びました。

 会場は東京国際フォーラムのホールA。マチネということで、当日券も出ていましたが、S席はほぼ満席の盛況でした。

 日本の職業作曲家の大半に影響を与えたとも言われるバカラック。筒美京平や大野雄二のように明らかにバカラックの音を感じさせる作家はもちろん、川井憲次のように作風はまるで違うのに「いちばん好きな作曲家はバカラック」と答える人もいる。特に70年代の歌謡曲や映画音楽の音に与えた影響は絶大です。

 今回は、バカラックの80歳を記念したメモリアル・コンサート。まだまだ現役で活躍中というのがすごい。

 編成は、バカラック自身のバンドにオーケストラとヴォーカルを交えた50人以上。オケは東京ニューシティ管弦楽団です。バンドはドラムス、キーボード、ベース、サックス(&フルート)、トランペット(フリューゲルホルン)各1の5人。ヴォーカルは、男性×1(ジョン・パガーノ)、女性×2(ドナ・テイラー、ジョシー・ジェームス)。ゲストにバカラックの秘蔵っ子の女性シンガー、トレインチャが登場しました。
 トレインチャはオランダ出身のヴォーカリストで、ジャズシンガーとしても活躍。バカラックのソングアルバムを2枚出し、4月には東京でのライブも予定されています。
 ヴォーカル3人も実力派ぞろい。3人がコーラスで歌う場面ではみごとなハーモニーを、ソロで歌う場面では表情豊かな歌唱を聴かせてくれて、まさにプロの仕事でした。
 (オケの編成は、ヴァイオリン×18、ヴィオラ×6、チェロ×5、フルート×2、クラリネット×2、オーボエ×2、トランペット×2、ホルン×2、トロンボーン×3、チューバ×1、パーカッション×3。←lovecelloさんのブログを参考にさせていただきました)

 2時間を休憩なしに一気に聴かせるステージ。バカラックは指揮をピアノと弾き語りで活躍。メドレーでは、7〜8曲を指揮し、ピアノを弾きながら切れ目なしに聴かせるなど、超人的ですよ。出てくる音は、まさに「バカラックの音」! もう、1曲目から感動です。
 バカラックのサウンドは、イージーリスニングほど甘くなく、ジャズほどエッジが立っているわけでもない。でも、「おしゃれ」の一言で片付けたくはない。あえていうなら、「ダンディ」とでも言うか、品のある、ちょっと気取った遊び心が感じられるサウンドと思うんです。それでいて、実は緻密でアイデアに満ちている。

 選曲は、60年代の作品から今年発表された最新曲まで。バカラックの音楽ヒストリーが一望できる内容です。演奏された曲数はなんと40曲!
 サントラファンとしては、映画音楽メドレーに泣きました。また初期楽曲メドレーで『マックイーンの絶対の危機』の主題歌が聴けたのもうれしい驚き。

 ラストは2曲のアンコールが終わっても拍手が鳴り止まず、バカラックは笑いながら、「ご一緒にどうぞ」と「雨にぬれても」を弾き始めました。客席が拍手と合唱で応じて、大喝采のうちに幕。
 最後まで、粋なコンサートでしたね。


<set list>

  1. 世界は愛を求めている/What The World Needs Now Is Love (1965)

    メドレー1 (1963〜1968年頃の楽曲メドレー)
  2. ドント・メイク・ミー・オーヴァー/Don't Make Me Over (1964)
  3. ウォーク・オン・バイ/Walk On By (1964)
  4. ジス・デイ/This Guy's In Love With You (1968)
  5. 小さな願い/I Say A Little Praye (1967)
  6. 汽車と船と飛行機/Train & Boats (1967)
  7. ウィッシン・アンド・ホーピン/Wishin' & Hopin' (1964)
  8. 恋のウェイト・リフティング/(There's) Always Something There To Remind Me (1965)

    メドレー2 (1962〜1970年頃の楽曲メドレー)
  9. 悲しみは鐘の音とともに/One Less Bell To Answer (1970)
  10. 恋よ、さようなら/I'll Never Fall In Love Again (1969)
  11. 恋の痛手/Only Love Can Break A Heart (1962)
  12. サン・ホセへの道/Do You Know The Way To San Jose (1968)


  13. 恋するハート/Anyone Who Had A Heart (1964)
  14. ハート・ライト/Heart Light (1982)
  15. ゴッド・ギブ・ミー・ストレングス/God Give Me Strength (1996)

    ビギニング・メドレー (作家デビュー当時の初期楽曲メドレー)
  16. マジック・モーメント/Magic Moment (1958)
  17. ストーリー・オブ・マイ・ライフ/Story Of My Life (1957)
  18. ザ・ブロッブ/The Blob (1968 映画『マックイーンの絶対の危機』より)
  19. タワー・オブ・ストレングス/Tower Of Strength (1961)


  20. ゴー・アスク・シェイクスピア/Go Ask Shakespear (2005)
  21. イン・アワ・タイム/In Our Time (2005)
  22. 遥かなる影/(They Long To Be) Close To You (1970)
  23. フォー・ザ・チルドレン/For The Children (新曲 2008)



    トレインチャによる2曲
  24. フォーリング・アウト・オブ・ラヴ/Folling Out Of Love (2003)
  25. フール・スピーク・フォー・ラブ/Who'll Speak For Love (2008)

    映画音楽メドレー
  26. 恋の面影/The Look Of Love (1967『007カジノ・ロワイヤル』)
  27. ニューヨーク・シティ・セレナーデ/Arthur's Theme (1981『ミスター・アーサー』)
  28. 何かいいことないか子猫チャン/What's New Pussy Cat (1965 同名映画)
  29. 地球は丸い/The World Is A Circle (1973『失はれた地平線』)
  30. エイプリル・フール/April fools (1969『幸せはパリで』)
  31. 雨にぬれても/Raindrops Keep Fallin' On My Head (1969『明日に向かって撃て!』)
  32. リバティ・バランスを射った男/The Man Who Shot Liverty Valance (1962 同名映画にインスパイアされた曲)
  33. メイキング・ラヴ/Making Love (1982 同名映画)
  34. 素晴らしき恋人たち/Wives & Lovers (1961 同名映画のために作曲されたが不採用)
  35. アルフィー/Alfie (1966 同名映画)
  36. ハウス・イズ・ナット・ホーム/A House Is Not A Home (1964『禁じられた家』)

  37. 愛のハーモニー/That's What Friends Are For (1986)

    アンコール
  38. エニィ・デイ・ナウ/Any Day Now (1962)
  39. 世界は愛を求めている/What The World Needs Now Is Love (1965)
  40. 雨にぬれても/Raindrops Keep Fallin' On My Head  (1969) --会場と一緒に合唱

 バカラックのCDはたくさん発売されてますが、私は'99年に出た以下の輸入盤を愛聴してます。バカラックの映画音楽を集めたコンピレーションです。残念ながら、もう生産はされてないようです。

The Reel Burt Bacharach (Soundtrack Anthology)

 : The Reel Burt Bacharach

 

007/カジノ・ロワイヤル オリジナルサウンドトラック
 こちらは、バカラックの映画音楽の最高傑作にも数えられる1枚。

 : 007/カジノ・ロワイヤル オリジナルサウンドトラック

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バカラック・ベスト〜生誕80年記念スペシャル
 今回の公演に合わせて発売されたベスト盤(2枚組)。

 : バカラック・ベスト

世界は愛を求めてる〜バート・バカラック・ベスト
 代表曲を手軽に入手したい人はこちらを。

 : 世界は愛を求めてる〜バート・バカラック・ベスト

フール・スピーク・フォー・ラヴ 〜バート・バカラック・ソングブック2〜
 今回のスペシャルゲスト、トレインチャのアルバム。

 : フール・スピーク・フォー・ラヴ

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