SHOGUNのメンバーで、キーボード奏者、作編曲家として活躍した大谷和夫さんが、18日亡くなりました。61歳だったそうです。SHOGUNのホームページにも訃報が出ました。
SHOGUNは他のロックバンドとは異なり、プロのスタジオミュージシャンが集まって結成したバンドでした。数々のレコーディングやステージを、“裏
方”として抜群のテクニックで支えたミュージシャンがオリジナルの音楽をやる!というのが魅力でした。「プロの腕を持ったバンド」。そのセンスのよいアレ
ンジや「びしっ」と決まるプレイは、他のバンドの音とは一線を画していました。逆に「荒削りなパワー」みたいなものは薄く、そこが聴く人によって好みが分
かれるところでした。そのSHOGUNのサウンドづくりの中心にいたのが大谷さんです。
ドラマファンには、『探偵物語』『俺たちは天使だ!』などのアクションドラマが印象深いでしょう。クリエーション名義の『プロハンター』の音楽も、大半は大谷さんの作だったそうです。30分ドラマ『セーラー服反逆同盟』も大谷さんの音楽でした。
火曜サスペンス劇場の音楽も数多く担当。同枠の最終回となった「監察医・室生亜季子」のシリーズも、大谷さんが音楽を担当していました。
アニメでは、『キャッツアイ』『ときめきトゥナイト』『ガラスの仮面』(84年版)『わたしとわたし ふたりのロッテ』など、80年代に多く仕事をしています。『キャッツアイ』『ガラスの仮面』主題歌の粋なアレンジは新鮮でした。意外とアニメでは女の子ものが多いんです。復刻にめぐまれませんが、単発のアニメスペシャル『大恐竜時代』なんてのもありました(SHOGUN名義)。
意外といえば、ドリーミングが歌う『それいけ!アンパンマン』の主題歌「アンパンマンのマーチ」のアレンジが大谷さんだったんですね。
私は世界名作劇場の『愛の若草物語』が好きで、いつか「メモリアル音楽館」シリーズで2枚組音楽集を出したいと思ってました。そのときは、ぜひインタビューを、と思っていたんですが…。残念でなりません。
ご冥福をお祈りいたします。
◎COMPLETE SHOGUN
3枚のオリジナル・アルバムと全てのシングル曲を収録した2枚組ベスト。「Bad City」「Lonely Man」のシングル/アルバム両ヴァージョンもフォローしている。
◎俺たちは天使だ! ミュージックファイル
主題歌「男たちのメロディー」で、SHOGUNの名を一気に知らしめた作品。放映当時「SHOGUN」のタイトルでアルバムが出ました。
◎探偵物語 ミュージックファイル
『俺天』と対をなす作品。主題歌「Bad City」もヒット。未収録曲をフォローした「ミュージックファイル2」も発売されてます。
◎ときめきトゥナイト / きまぐれオレンジ☆ロード
80年代アニメサントラをカップリングしたアルバム。『ときめき〜』では、大谷さんが挿入歌を書いてます。『きまぐれ〜』の音楽は鷺巣詩郎。