2008年08月27日

プリキュア☆ミラクル☆マジカル☆コンサート!

 8月1日に日本テレビ系で放映された『ヒットメーカー阿久悠物語』を観ていていちばん驚いたのは、五條真由美さんとうちやえゆかさんがコーラスガール役で出演していたことですよ。出番はほんの数カットでしたが、なんとも貴重な映像。音楽をプリキュアシリーズの挿入歌を作曲している高木洋さんが担当していたからでしょうね。監督は平成ガメラシリーズの金子修介。ウルトラマンタロウも登場する、なかなかマニアックな作品でした。

 その五條さんの毎年恒例、目黒<Blues Alley Japan>でのライブが8月31日に開催されます。ゲストは高取ヒデアキさん! 当日券もあるようなので、行こうか行くまいか迷っている人は今からでも遅くない!!


 五條真由美 BAJ 4の巻!

  会場:Blues Alley Japan

  16:30開場 18:00開演

  チケット:前売り \4,000 当日 \5,000円


 そして、その1週間後の9月7日には、プリキュアシリーズ5周年を記念したメモリアルコンサートが開催されます。歴代プリキュア主題歌歌手が集合するファン待望のステージ!


 プリキュア☆ミラクル☆マジカル☆コンサート

  9月7日(日)
  会場:中野サンプラザ

  午前の部 11:00開演
  午後の部 14:30開演

  出演:五條真由美、うちやえゆか、工藤真由、宮本佳那子

  チケット:全席指定 \3,500

  ローソンチケットチケットぴあイープラスなどで発売中!


 午前午後2回公演。夏休み明けの1日だけのお祭りです。

   *

 歴代ボーカルアルバムを集めた、プリキュア ボーカルBOXも出ました!

プリキュア5th ANNIVERSARY プリキュアボーカルBOX1 〜光の章〜
 DVDつき初回限定商品。過去に発売されたアルバムを持っている人にはほとんどダブりですが、持ってない人にはお得なセット。今回の企画のために録音された新録音源も入ってます。DVDの特典映像は、各シリーズ前期OP・EDのノンテロップムービー。

 : プリキュアボーカルBOX1

 BOX2は12月リリース予定。

  となると……、「サントラBOX」も欲しいような気がしませんか。未収録曲はもうないはずだけど……。いやいや、実はネタは残ってるんですよ。欲しい人はマーベラスさんにリクエストしてみてくださいね。

posted by 腹巻猫 at 21:55| Comment(0) | TrackBack(0) | ライブ/コンサート

2008年08月22日

80年代アニメソングは“夏の香り”

 ドライブする機会があったので、今年の3月に発売されたコンピレーション・アルバム『flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s』をずっと聴いていたんですが、これがなかなかよかった。

 いい歌が多いんですよ。

 収録されているのは、80年代に登場したビクターのアニメソングの数々。『ニルスのふしぎな旅』『戦国魔神ゴーショーグン』『おはよう!スパンク』『魔法のプリンセス ミンキーモモ』『超時空要塞マクロス』『ときめきトゥナイト』『さすがの猿飛』『スプーンおばさん』『機甲創世記モスピーダ』『巨神ゴーグ』…。こうやって書き出すだけでも、当時感じた「新しい息吹」を思い出してわくわくしてしまう。

 80年代をタイアップの時代、ポップス化の時代と呼ぶ人もいるけれど、それはちょっと正しくない。新しい才能が続々と参入してきたけれど、作ろうとしたのはやはり“アニメ主題歌”なのだ。そこが、「番組と関係ない歌を主題歌にもってくるようになった」90年代とは違うところ。「子どもの歌」という60、70年代的制約から自由になって、歌謡曲と同じ土俵で歌づくりが進められた時代。それまでなら、「これは子ども番組の歌にはちょっとね」とNGになったサウンドやリズムが、どんどん取り入れられ、洗練された大人びた音になっていった。いわば、アニメソングの“青年期”だったと思うのですよ。

 先日の『BS熱中夜話<ヒーローソングナイト>』の2回目ですっ飛ばされてしまったのが、そこのところで、ホントは「80年代にも熱い歌はある。でも70年代とは熱さの質が違う」という話をちゃんとしてるんですね(放送ではカット)。

(余談ですが地上派で再放送が決まりました。9月19日(金) 24:10〜 2回分一挙放送(90分)です。)

 『flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s』には、そんな時代の音がぎっしり詰まっている。懐かしくて、きらきらした、夏休みが終わりかけた頃の夏の香りがする。

 選曲は、1994年にビクターから発売されていた『アニメ・サウンド・ミュージアム』シリーズと重なるところが多い。でも、年代を追って劇場版までフォローされた内容は『アニメ・サウンド・ミュージアム』よりも充実。初CD化曲もフォローされているので、同シリーズを持っている人にもお勧めです。

 ちなみに、私のお気に入りは『レディ・ジョージィ』。渡辺岳夫作品ですよ。

flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part I
 収録曲はこちら。『スプーンおばさん』の歌はホント名曲だなぁ(松本隆(作詞)×筒美京平(作曲)×川村栄二(編曲)×飯島真理(歌)という面子)。

 : flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part I

flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part II
 収録曲はこちら。なつかし、 燕 奈緒美/真由美姉妹の『ワンダービートS(スクランブル)』が聴ける。

 : flyng DOG アニメコレクション テーマソング・アーカイブ '80s Part II

↓こんなのも出てます。
for 30's generation アニメ 〜みんなアニメが好きだった〜
for 30's generation 特撮 〜あの時、僕はヒーローだった〜
 70年代も含めた選曲。年代順でもジャンル別でもない構成は、車で聴いてると意外性があってけっこういい。

 : for 30's generation アニメ : for 30's generation 特撮

posted by 腹巻猫 at 17:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき

2008年08月17日

アナログ・シンセをこの手に「シンセサイザークロニクル」

 紹介が遅れましたが、知人のpolymoogさんや田中雄二さんが関わった『シンセサイザー・クロニクル』が7月30日に発売されました。

 学研から刊行されている『大人の科学マガジン』の別冊。付録にアナログ・シンセサイザーがついたMOOKです。シンセサイザーのしくみ、歴史、楽しみ方など、音楽家のインタビューをまじえて構成されています。『大人の科学』という本の性質上、初心者にもわかりやすい内容になっていますが、その充実ぶりは、マニア向けと言ってもおかしくない。

 YMOの3人(細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏)に松武秀樹が話を聴くインタビューをはじめ、冨田勲、植松伸夫、安西史孝、浅倉大介らが登場。安西史孝氏の『うる星やつら』劇伴裏話はサントラファンにもおいしいですよ。

 モーグ博士とmoogシンセサイザーの紹介、シンセサイザーの技術的進化史、日本の3大シンセメーカー・ローランド、KORG、YAMAHAの開発者の談話、ヴィンテージ・シンセ・ミュージアムなど、読み物も充実。豊富に掲載されたシンセサイザーの写真は見るだけでも楽しいし、電子楽器好きにはこたえられないでしょう。

 付録は、電池で動作する組立式アナログ・シンセサイザー。デジタル・シンセなら簡単ですが、アナログ・シンセをふろくにしてしまうなんてスゴイ! その開発秘話は、『大人の科学』サイトで「緊急連載 ふろくシンセのできるまで」という特集ページになっています。

 楽器を知ると音楽の楽しみ方も広がりますよ。ぜひ、手にとってみてください。

大人の科学マガジン別冊 シンセサイザー・クロニクル

 : シンセサイザー・クロニクル

大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )
 こちらも大ヒットでした。演奏できるミニ・テルミンがついた1冊。

 : 大人の科学マガジン Vol.17 ( テルミン )

電子音楽 in Japan
 田中雄二さんによる、もはや“古典”の名著。2001年の初版に訂正を加えた第2刷が発売中。レア音源を含むCDつき。

 : 電子音楽 in Japan

posted by 腹巻猫 at 17:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 書籍・雑誌

2008年08月16日

コミケ出店終了

 8月15日のコミケ初日が終了しました。
 <劇伴倶楽部>で出店してました。

 暑い中、訪ねてきてくださったみなさま、ありがとうございます。
 「テレビ見ました」と言っていただいて、うれしかったです。

 おかげさまで、新刊だけでなく、旧刊もけっこう売れました。

 しかし…、暑い1日でしたね。過酷なコミケでした。
 サークル参加の方も、一般参加の方も、お疲れさまでした。

 2日目、3日目に参戦の方、どうぞお気をつけて。水分補給と暑さ対策を怠りなく。

Comike2008

posted by 腹巻猫 at 01:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき

2008年08月13日

平野義久が作り出す音の「秘密」

 日テレ系で火曜深夜に放送中のアニメ『秘密(トップシークレット) 〜The Revelation〜』が怖い〜。

 死者の脳に残された視覚記憶をMRIを用いて映像化する技術が実用化された近未来。科学警察研究所 法医第九研究室(通称“第九”)では、その技術を用いた「MRI捜査」が行なわれていた。犯罪に巻き込まれて死んだ人間(被害者・加害者)の脳から記憶を再生し、事件の謎を解明するのだ。それは死者の「秘密」をあばくことでもあった――。

 SF的ガジェットを使っているが、つくりは『羊たちの沈黙』を思わせるサイコサスペンス。猟奇的な犯罪と被害者、悲劇的な過去や病んだ心を持った犯罪者たちが次々登場して、「うわー、たまらんなぁ」と思うことたびたび。

 そんな『怪奇大作戦』ばりのドラマをこの上もなく盛り上げているのが、平野義久の音楽なのです。

 平野さんの作品は、このブログでも『栞と紙魚子の怪奇事件簿』を取り上げました。『栞と紙魚子』はホラーテイストとはいえ、どちらかというとコメディ。『秘密』はホンキで怖い。

 その怖さの秘密は、現代音楽の手法を駆使したサウンド。シンセなどの電子楽器の使用を抑え、古典的なオーケストラを使った現代音楽の書法で書かれています。不協和音がぎしぎしうなり、落ち着かない音の泡立ちが心をざわめかせる。映画『猿の惑星』のゴールドスミスの音楽や、『2001年宇宙の旅』で使われたリゲッティの音楽を思わせる。

 平野さんに話をうかがったら、実際「50〜60年代の現代音楽」を意識したのだそうです。それが、懐かしくも新しい。ほかにも、音を一つ一つの粒ではなく塊として使う“トーンクラスター”という手法を用いたり、あえてデジタルな音楽とは対極的な手法を追及したのだとか。

 サントラの冒頭に置かれた「The Number Nines」は「第九のテーマ」。ほかの曲とはちょっと趣が違い、海外ドラマのテーマ曲のようなカッコいい曲。
 しかし、「Chaos」「Darkness」などでは、現代音楽の手法を用いたホラー/サスペンス・サウンド全開。いかにも『秘密』の作品世界にふさわしい不安な曲調が背中をぞくぞくさせる。
 「What He Saw」や「In the Realm of the Memories」には、ジョン・ゾーンの作品をほうふつさせるミュージック・コンクレートの手法が使われている(ジョン・ゾーンは平野さんが少年時代に影響を受けた作曲家のひとり)。
 「Himitsu」は民族音楽的な旋律とラテンっぽいリズムが融合した曲で、不気味だけれど人間くさい、ふしぎな曲になっている。

 全体に、ただ怖いだけでなく、人間のふしぎさ、多面性を表現したような味わい深いアルバムになっています。

 本作に限らず、平野さんの作品は「劇伴」の枠をはみ出したものが多い。幼少時はバロック音楽、少年時代はジャズに傾倒した平野さんは、高校卒業後、単身渡米。イーストマン音楽大学作曲科に入学して現代音楽を学びます。帰国後、仕事を探していたときに今の事務所のマネージャに出会って、2001年にアニメ『爆転シュート ベイブレード』の音楽で本格デビュー。以後、『桜蘭高校ホスト部』『鋼鉄神ジーグ』『DEATH NOTE』など、数は多くないものの、映像音楽作家として着実に実績を重ねている。その作風には平野さんの音楽歴がにじみ出しています。たとえば音大の映画音楽コースで映像音楽を学んだ作家の音楽とは、明らかに違うのです。

 緻密なオーケストレーションに支えられた音楽は、さらっと聴いただけだと親しみにくい。打ち込み全盛の最近の映像音楽を聴きなれた耳には、耳障りに聞えるかもしれない。でも、じっくり聴けば面白さがわかるはず。「燃える曲が好き」「美しい曲が好 き」という人にも、食わず嫌いにならずぜひ試していただきたいサウンドです。映像音楽というジャンルの持つ奥深さが、凝縮されていると思うのです。

秘密(トップシークレット) 〜The Revelation〜 オリジナル・サウンドトラック

 : 秘密 〜The Revelation〜 オリジナル・サウンドトラック

RD潜脳調査室 オリジナル・サウンドトラック
 東京では『秘密』と同じチャンネル&連続する時間帯で放送中。『秘密』と同じく脳内世界を扱った作品だが、『秘密』とは対照的に、ヒューマンで明るい音楽をめざしたそうです。

 : RD潜脳調査室  オリジナル・サウンドトラック

DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック
 アニメ版サントラ。映画『オーメン』の“Ave Satani”を思わせるコーラス曲やダイナミックなプログレッシブ・ロック。実写映画版の川井憲次とはまた違う『DEATH NOTE』の世界です。タニウチヒデキと共作。

 : DEATH NOTE オリジナル・サウンドトラック

鋼鉄神ジーグ オリジナル・サウンドトラック
 ワーグナーを思わせるパワフルなスコア。平野さんは「ロボットものの王道」のつもりで書かれたそうですが、とても斬新です。

 : 鋼鉄神ジーグ オリジナル・サウンドトラック

桜蘭高校ホスト部 サントラ&キャラソン集 前編
 バッハ風、モーツァルト風など、さまざまな音楽スタイルを使ったパロディックな作品。平野さん自身気に入っている作品のひとつ。「後編」も発売中。

 : 桜蘭高校ホスト部 サントラ&キャラソン集 前編

posted by 腹巻猫 at 00:35| Comment(0) | TrackBack(0) | CD