2008年10月28日

ついに登場!「相棒」正規盤

 劇場版公開、そして10月22日よりSeason7が放映開始、とまだまだ盛り上がるドラマ『相棒』。サントラ盤は一度インディーズで発売されたものの、権利関係の問題ですぐに廃盤となって中古市場で高値を呼んでいました。今回、ファン待望の正規盤がついに登場!

 今回は、劇場版サントラも出したエイベックスからの発売。作曲の池頼広さん自身の選曲で過去のシリーズから代表的な曲を収録。決定版と呼べる内容になっています。2002年のSeason1から毎回少しずつ音楽を追加しているので、膨大な量の曲を聴いて選曲したそうです。

 発売日にはオリコン・デイリーランキング7位を獲得! ドラマサントラとしては異例のヒットですよ。

 聴いてみると、初期の音楽は最近の池さんの音楽とはテイストが違う。刑事ものにありがちなジャズファンクやロック調の曲ではなく、ちょっとクラブ風の音楽になっています。それが、だんだんと弦やブラスを多く使った音楽に変わっていくさまがこの1枚でよくわかる。池頼広ヒストリーとともに『相棒』ありですね。ぜひ、第2弾も!


<収録曲>

  1. 相棒シーズン1 オープニングテーマ ロングバージョン
  2. 追跡
  3. 暴かれた罪
  4. 悲しい結末
  5. 終わりの始まり
  6. 終焉
  7. 真実の翼
  8. 帰還
  9. 別れの予兆
  10. 迷宮の扉
  11. 気配
  12. 疑惑
  13. 沸騰
  14. 花の里ブルース
  15. 疑念
  16. 推理
  17. 相棒シーズン2 オープニングテーマ ショートバージョン
  18. 相棒シーズン2 オープニングテーマ ロングバージョン
  19. 暗躍
  20. 暗雲
  21. 疾走
  22. 臨場
  23. 躍動
  24. 相棒シーズン3 オープニングテーマ ロングバージョン
  25. 鼓動
  26. 相棒シーズン4 オープニングテーマ
  27. 正義の行方
  28. 緊急事態
  29. 光と影
  30. 黄昏

相棒 オリジナル・サウンドトラック [Limited Edition]
 初回限定1万枚はシリアルナンバー入り。サントラで1万枚は大ヒットで、とても「限定」とは呼べない枚数ですが、すでに通常版に切り替わってます。おそるべし。インナーにはスタッフ・キャストのコメント掲載。
 上が限定版、下が通常版ジャケット。

 相棒 オリジナル・サウンドトラック

 : 相棒 オリジナル・サウンドトラック

◆12月には↓こんなアルバムも!

相棒 Classical Collection 〜杉下右京 愛好クラシック作品集〜
 12月24日発売予定。劇中で使われたクラシック曲を集めたコンピレーションアルバムです。が、それだけではなく、テーマ曲の吹奏楽ヴァージョンとピアノ・ヴァージョンも収録とあっては、ファンなら買わざるをえません。

 相棒 Classical Collection

posted by 腹巻猫 at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | CD

2008年10月22日

大橋恵の「ガンダム」ふたたび!! 「機動戦士ガンダムMS IGLOO 2 重力戦線」

 大橋恵さんの出世作とも言える『機動戦士ガンダムMS IGLOO』の新作、『機動戦士ガンダムMS IGLOO2 重力戦線』のサントラ盤が10月24日に発売されます。

 なんと限定特装版は1作目のサントラ盤をカップリングした2枚組! 1作目のサントラは現在品切れで入手困難になっているので、持ってない人にはうれしい再発です。

 私は第1作の重厚かつ繊細な音楽を聴いて、「大橋恵」の名を心に刻みつけたのでした。大橋さんにとっても、1本の作品の音楽をまるごと担当するはじめての仕事で、気合入ってます。その後、『トランスフォーマー ギャラクシーフォース』『ザ・サード 〜蒼い瞳の少女〜』『ブルードラゴン』『炎神戦隊ゴーオンジャー』と続く大橋さんの活躍ぶりはご存じのとおり。第1作から4年分のキャリアを積んだ大橋さんの音楽がどう進化しているのか、大いに楽しみにしています。

 また、第1作はジオン軍側の視点から1年戦争の秘められたエピソードを描く趣向でしたが、『MS IGLOO2』は地球連邦軍の一般兵士の視点で描かれる物語に変わっています。その違いが大橋さんの音楽にどう反映されているのかも興味深いところですね。

 ただ、すでに1作目のサントラを持っている人は、11月19日発売の第2作サントラ単品を待たなければいけないわけで、これは、1作目も単品で別々に出してくれたほうがうれしかったかも。たはは…。

機動戦士ガンダムMS IGLOO 2 重力戦線 O.S.T.特装盤 [Limited Edition]

 Vtzl7

◆単品版はこちら↓(11月19日発売)

機動戦士ガンダムMS IGLOO 2 重力戦線 O.S.T.

 機動戦士ガンダムMS IGLOO 2 重力戦線 O.S.T.

posted by 腹巻猫 at 00:59| Comment(0) | TrackBack(0) | CD

2008年10月19日

幻の名盤復活!「機甲界ガリアン」

 DVD-BOXの発売に合わせて、『機甲界ガリアン』のサントラ盤が復刻されます。10月24日、Vol.1、Vol.2同時発売です。

 『機甲界ガリアン』(1984)は、『装甲騎兵ボトムズ』の高橋良輔監督によるSFロボットアニメ。異世界ファンタジー風の舞台設定が魅力で、独特の雰囲気を持った作品でした。

 注目は、音楽をウルトラシリーズでおなじみの冬木透先生が担当していること。高橋監督の作品では『太陽の牙 ダグラム』で重厚な音楽を聴かせてくれました。本作でも、中世ヨーロッパの香りがする作品世界にクラシカルな冬木透の音楽がこの上なくハマっています。

 サントラ盤の当時の発売元はワーナーパイオニア。ワーナーがアニメ音楽から撤退して、復刻は絶望かと思われていただけに、今回のリリースはうれしい驚きです。『小さなスーパーマン ガンバロン』の復刻で注目を集めたディスクユニオンからの発売。ディスクユニオンで購入すると、初回限定特典として当時の関係者インタビューを収録した24P特製ブックレットがつくそうなので、これから手に入れようという方はチェックしてみてください。
 ⇒ディスクユニオンの商品紹介ページ

機甲界ガリアン 音楽集 VOL.1
 塩山紀生氏によるファンタジー画風ジャケットがシブい。

 : 機甲界ガリアン 音楽集 VOL.1

機甲界ガリアン 音楽集 VOL.2
 Vol.2ジャケットは戦車や軍艦などのメカニックイラストで有名な高荷義之氏。

 : 機甲界ガリアン 音楽集 VOL.2

↓DVDはこちら。

機甲界ガリアン メモリアルボックス ANNIVERSARY EDITION【初回限定生産】

 : 機甲界ガリアン メモリアルボックス

posted by 腹巻猫 at 16:30| Comment(0) | TrackBack(0) | CD

2008年10月18日

心地よい驚きに出会える企画「歌鬼〜阿久悠トリビュート」

 作詞家の阿久悠氏が亡くなって1年。追悼アルバムもたくさん発売されましたが、この「歌鬼(Ga-Ki)〜阿久悠トリビュート」は心地よい驚きに出会えるなかなかの好企画です。

 阿久悠作詞の名曲をアーチストがカヴァーした、トリビュート・アルバム。
 こうした企画の場合、オリジナルを再現するのか? はたまた、オリジナルを超えようとするのか? アプローチが重要になってくる。しかし、相手は日本歌謡曲史に名を残す名曲ばかり。生半可なアプローチではよれよれの出来になってオリジナルに負けてしまうことは必至。

 このアルバムがいいのは、アーチストの力量だけに頼らず、アレンジや、曲とアーチストの組み合わせの妙で勝負したところ。

 曲目は次のとおり。


  1. ジョニイへの伝言(鈴木雅之)
  2. 白い蝶のサンバ(一青窈)
  3. 思秋期(森山直太朗)
  4. たそがれマイ・ラブ(中西圭三)
  5. 熱き心に(元ちとせ)
  6. ペッパー警部(Mizrock)
  7. 恋のダイヤル6700(音速ライン)
  8. 時の過ぎゆくままに(工藤静香 feat. 押尾コータロー)
  9. 朝まで待てない(甲斐よしひろ)
  10. ざんげの値打ちもない(山崎ハコ)
  11. ひまわり娘(杏里)

 この人がこの曲を!? という意外性のある組み合わせが多いでしょ。

 聴いてみたら、これがなかなか、いい。

 とりわけ感動したのは、まず一青窈が歌う「白い蝶のサンバ」。あの独特の節回しの一青窈が、早口言葉にも似た「白い蝶のサンバ」を歌う。どう考えてもアンマッチと思うでしょ? ところが、なんとも味がある、いい歌になっています。武部聡志の現代的なアレンジもいい。

 そして、元ちとせの「熱き心に」。こちらはあえて小林旭の原曲の雰囲気を残したアレンジで、あの男っぽい歌を元ちとせが歌うというミスマッチに挑戦しています(アレンジは羽毛田丈史)。これがまた、女性が歌うことで微妙に歌詞の持つニュアンスも変わったりして、新しい歌に生まれ変わっている。

 森山直太朗の「思秋期」は、岩崎宏美の曲を男性が歌うという点が聴きどころではありますが、あまり意外性はない。これはありだろうなぁと思うとおりの仕上がりです(悪いという意味ではないよ)。

 Mizrockの「ペッパー警部」、音速ラインの「恋のダイヤル6700」なんかも同様で、カッコいいけど新鮮な驚きという点では物足りないかな。

 山崎ハコの歌う「ざんげの値打ちもない」。これは意外性はないですよね。「きっとぴったりだろう」と私も思う。でも、聴いて感動です。ハマりすぎて、まるではじめから山崎ハコが歌っていたかのように違和感がない。予想を超えた驚きでした。

 でも、私が一番感動したのは、ラストの杏里が歌う「ひまわり娘」ですよ。原曲は伊藤咲子の名曲。彼女は70年代にアイドル歌手として活躍したものの、芸能界を引退し、この歌もあまり歌われる機会がなくなってしまったのです(最近復帰されました)。70年アイドル歌謡らしいリリカルな恋の歌。私も大好きでした。この歌を「CAT'S EYE」などのポップなチューンが似合う杏里が歌う、というところが意外性抜群。仕上がりは……?
 いやぁ、いいですよ。すごく新鮮だけど懐かしい。杏里にこういう歌が合うなんて、意外です。CDショップの試聴機で聴いて、思わずプレイバックしてしまいました。

 そういう心地よい驚きに出会えるのが、このアルバムの魅力です。

 付録に「阿久悠作品歴代Top50」やオリコン縮小版、生前のINTERVIEWなどの貴重なデータが掲載されたブックレット「阿久悠 オリコン・データブック」が付いてるのも見逃せません。オリコン縮小版には阿久作品以外の当時のヒット曲のデータも掲載されているので、これを眺めながらつらつらと日本歌謡史を振り返ってみるのも楽しいです。

歌鬼(Ga-Ki) 〜阿久悠トリビュート〜
 ジャケットは上村一夫のイラスト。昭和っぽさムンムンです。

 : 歌鬼(Ga-Ki) 〜阿久悠トリビュート〜

▼こんなのも出ました。

続・人間万葉歌 〜阿久悠 作詞集
 ヒットした「人間万葉歌」の続編。2008年9月27日発売。レア音源も収録!

 : 続・人間万葉歌

阿久ちゃんねる 〜阿久悠作詞のTVテーマ・CMソング集
 2008年3月発売。テレビっ子世代向けの阿久悠作品集。「デビルマン」「宇宙戦艦ヤマト」「ママとあそぼう ピンポンパン」「時間ですよ」などをフォロー。感涙です。

 : 阿久ちゃんねる

posted by 腹巻猫 at 09:07| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記・コラム・つぶやき

2008年10月16日

菅野祐悟がSFアクションに挑む「鉄腕バーディー DECODE」

 菅野祐悟さんの『鉄腕バーディー DECODE』オリジナルサウンドトラックについて『月刊Newtype』で書かせていただきました。

 リアルな実写ドラマ作品が多い菅野さん、これまで『図書館戦争』のようなSFチックな作品も手がけていますが、本格的なSFアクションアニメははじめてです。期待に胸をふくらませながら第1話を見始めて、冒頭のチェイスシーンに流れる音楽から「これは!!」と思わず身を乗り出してしまいました。

 今回は宇宙的規模のスケールとスピード感を出すために、オーケストラによるシンフォニックなサウンドにデジタルなシンセの音を重ねて、広がりと疾走感のある音楽を構築。これまでの菅野祐悟作品にない音が生まれました。「メインテーマ -SIDE BIRDY-」などにその成果を聴くことができます。特にオケはこれまでの仕事の中でも最大規模のスケール。長い曲になると、1曲でスコアが40ページにもおよぶものがあったそうです。

 サントラ盤は一挙2枚組!のボリューム。DISC1が「SIDE BIRDY」、DISC2が「SIDE TSUTOMU」と題され、それぞれテーマの異なる内容になっている。ニクイ構成です。

 『Newtype』の記事にも書きましたが、聴きどころのひとつは、SAYAKAとリュンカのテーマ。そして、その2つのモチーフを絡めた楽曲。しだいにリュンカに侵食されていくSAYAKAを音楽で表現しています。

 アニメは第1シリーズが終了。第2シリーズが予定されていますが、音楽は新たに録音するそうです。つまり、1クールの作品にこれだけの音楽を用意したわけで、なんともぜいたくなつくりですよ。聴き応えのあるアルバムに仕上がりました。12月のコンサートではどの曲が演奏されるのか、今から楽しみです。

鉄腕バーディー DECODE オリジナル・サウンドトラック
 ジャケットはキャラクターデザイン・総作画監督:りょーちも の絵を使ったPOPな雰囲気。インナーにも線画がたっぷりあしらわれています。

 : 鉄腕バーディー DECODE オリジナル・サウンドトラック

映画「容疑者Xの献身」オリジナル・サウンドトラック
 こちらは、TV版の未収録曲も収録した『ガリレオ』の映画サントラ。TV用の曲とは肌合いの違う劇場版の音楽に注目です。

 : 映画「容疑者Xの献身」オリジナル・サウンドトラック

posted by 腹巻猫 at 12:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事