2008年12月31日

今、どこを旅しているの? 「Cyber Nation Network BEST」

 「“Sister MAYOベスト”を出すのが野望」と常々言ってる私ですが、今年の暮はMAYOさんとイベントでお会いする機会が2度もあり、ほくほくでした。
 そんなMAYOさんがCyber Nation Network(C.N.N.)として活動していた時代の曲を集めたベストが「Cyber Nation Network Best -10 Years After-」。

 Cyber Nation Networkは、1997年からわずか1年あまりしか活動しなかったユニット。でも、印象的に残る曲が多く、今もファンがいます。上記のベストアルバムは2007年に、デビュー10周年を記念して発売されました。
 サウンド的にはテクノなんですが、メロディがしっかり立っていて、今聴いてもいい曲が多い。戦隊シリーズの歌や「LOVE☆トロピカ〜ナ」などのキュートな歌とは一味違うMAYOさんのヴォーカルが楽しめます。
 ボーナストラックには、C.N.N.の相方・平間あきひこさんが自身のサイトで公開していたMona-Lisa名義のゲーム主題歌も収録。

 MAYOさんもCyber Nation Network時代の曲は気に入ってるそうで、「ライブやりたいです」なんて話してました。

 「The Power of Love」や「SUPER VOYGER」などのアップテンポの曲もいいけど、「SILENT MOON」「Thank you, Mama」といったメロウな曲が実にイイ!
 アニメ『ごぞんじ!月光仮面くん』のエンディングテーマに使用された「カラフル」も、番組の印象とは大違いのポップでキュートなナンバー。MAYOさんの魅力満開です。

 これが発売されてしまったので、「Sister MAYO ベスト」はちょっと延期でしょうか? いやいや、C.N.N.でまだ未収録の曲もあるもようだし、野望は捨てていませんよ!


<収録曲リスト>

  1. The Power of Love *
  2. GET MY FUTURE **
  3. Little touch of happiness *
  4. SUPER VOYAGER **
  5. GOOD VIBRATION *
  6. SILENT MOON **
  7. The Power of Love / Extended Cyber Remix *
  8. GOOD VIBRATION / SUPER REMIX *
  9. GET MY FUTURE / Full Power Trance Mix **
  10. SUPER VOYAGER / Universal Doctor Mix **
  11. Thank You,Mama **
  12. VOYAGE *
  13. カラフル ***

    〜Bonus Tracks〜 X-box用ゲーム「ファントムクラッシュ」から
  14. Awake to Love
  15. Say hello

* TVアニメ『マスターモスキートン'99』(1997)から
** TVアニメ『ビストウォーズII〜超生命体トランスフォーマー〜』(1998)から
***TVアニメ『ごぞんじ月光仮面くん』(1999)から
Track14-5 Mona-Lisa名義


Cyber Nation Network Best -10 Years After-
 ジャケはもちろんC.N.N.時代のMAYOさんです!

 : Cyber Nation Network Best

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2008年12月29日

死者たちの終わらないかなしみ「屍姫 赫」

 死者が死者を狩る、衝撃のダークファンタジー『屍姫 赫』。映画やドラマの音楽で活躍する住友紀人さんが手がけた初のアニメ作品です。

 住友さんにとって、この作品は「まるで自分のために用意されたかのような」運命的な作品だったとか。
 というのも、住友さんの音楽には、「生と死」というテーマが常に通奏低音のように流れているのだそうです。たとえばドラマで男女の愛のテーマを書いたとしても、その背景には刹那を生きる人間の「生と死」が表現されている。
 実は、住友さん自身が子どものころから、「生と死」になじんで育ってきたのでした。いわゆる「見える」体験もたくさんしたとか。だから、特にファンタジーの要素のない映画やドラマの音楽でも、「生と死」を意識した音楽を書いてしまう。そんな住友さんにとって、この世に未練を持った死者たちと屍姫との戦いを描くこの作品は、まさに「自分のなじみ深い世界」でした。

 『屍姫 赫』のために書かかれた音楽は、戦いの音楽も、サスペンス音楽も、どこか背後に悲しみを宿している。生身の人間を描く作品を数多く手がけてきた住友さんだけに、重層的で、この世界を生きる人間たちの想いをしっかり受け止めた音楽が出来上がったと感じます。

 選曲・構成は住友さん自身。ほぼ、作曲した順に曲を配したそうです。そうすることで、『屍姫 赫』という作品に対する、音楽家としての理解の深まりを追体験できるようになっています。1曲目「屍達のセレナーデ」は、『屍姫』の作品イメージをストレートに表現した本作のメインテーマ。「最後の聖戦」は、劇中悲しい運命をたどる景世のテーマ。この2曲は、住友さん自身もお気に入りの曲だとか。劇中で使われた挿入歌「眠れる星の蒼い砂」も収録されています。これは子どものころに感じた寂しさ、怖さを表現した曲。3拍子の曲というのは、「郷愁を誘う曲」なのだそうです。

 アニメの音楽に「生と死」というテーマで挑んだ住友サウンド。暗い題材だけに気軽に聴ける音楽ではないかもしれませんが、今年の収穫の1枚。ぜひ聴いてみてください。

屍姫 赫 オリジナル・サウンドトラック

 : 屍姫 赫 オリジナル・サウンドトラック

アンフェア The Movie オリジナル・サウンドトラック
 篠原涼子主演ドラマの映画化。住友さんが自らの代表作の1本に上げる作品です。この作品が『屍姫 赫』のスタッフの目(耳)にとまり、今回の依頼につながりました。

 : アンフェア The Movie オリジナル・サウンドトラック

エースをねらえ! オリジナル・サウンドトラック
 上戸彩主演の実写ドラマ版の音楽集。この作品で住友紀人の名に注目したという人も多いのでは?

 : エースをねらえ! オリジナル・サウンドトラック

posted by 腹巻猫 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 仕事

コミケット75出店終了!

12月28日。
コミックマーケット75の1日目、無事終了しましたー。

ご来店いただいたみなさま、ありがとうございました!

ゆっくりお話できずすみません。

また、ごあいさつできなかったみなさま、失礼いたしました。

おかげさまで、新刊「劇伴倶楽部 Vol.4 渡辺宙明 1977 -78 Works」は持ち込んだ半分が売れました。

Vol.1、Vol.2は完売です。

Vol.3は多少残部あり。

通販の予定はありませんが、SoundtrackPub等のイベントでも売る予定ですので、興味のある方はどうぞ。

また、どこかでお会いしましょう〜。

  Comike75_01

posted by 腹巻猫 at 12:54| Comment(0) | TrackBack(0) | イベント

2008年12月26日

アンデルセン物語 Complete DVD-BOX

 虫プロダクション制作のTVアニメ『アンデルセン物語』のDVD-BOX。2BOXに分かれて発売されたときは購入を躊躇していたのですが、12月17日に廉価版Complete BOXが発売されて、即買ってしまいました。全52話がパッケージされて2万円というお買い得!

 子どもの頃好きだったんですよねぇ。原作のメルヘンをそのままアニメ化したのではなく、ちょっとひねったアレンジになっているのが好きでした。狂言回しの主役2人、キャンティー(増山江威子)、ズッコ(山田康雄)のコンビは、のちの新ルパンを予感させるキャスティング。

 そして、なんといっても歌。『ムーミン』や『ふしぎなメルモ』などの音楽を担当した天才・宇野誠一郎が、エピソードごとに歌を書いているのです。もう、全編、宇野誠一郎メロディの宝庫ですよ。エンディングの「キャンティーのうた」(歌:増山江威子)は何度聴いても涙ぐんでしまう。

アンデルセン物語 Complete DVD-BOX
 DVD14枚組のボリューム。最近はやりの複数枚収録デジパックではなく、1枚ずつトールケースに入ったパッケージです。

 : アンデルセン物語 Complete DVD-BOX

みんなでうたおう ! ミスター・アンデルセン + 20
 宇野誠一郎作曲の歌がたっぷり聴けるソングアルバム。放映当時発売されたアルバムにシングル盤の曲を追加した完全版。中古市場で高値を呼んでいたレア盤の奇跡の復刻です!

 : みんなでうたおう ! ミスター・アンデルセン

☆おまけ

アンデルセン物語(劇場版) [DVD]
 1968年に公開された東映動画(現東映アニメーション)制作の劇場用長編アニメーション。とうぜん虫プロ版とのつながりはないが、こちらもミュージカルじたての名作です。音楽はのちのTVシリーズと同じ宇野誠一郎先生。藤田淑子さんの歌がいいんですねぇ。この作品の歌4曲も上のCDにボーナストラックとして収録されています。

 : アンデルセン物語(劇場版)

posted by 腹巻猫 at 12:06| Comment(0) | TrackBack(0) | CD

2008年12月25日

12月23日 斉藤由貴コンサート

 「クリスマスイヴイヴの胸騒ぎ」
 そんなキャッチをつけたくなる、刺激に満ちたコンサートでした。

 12月23日に浜離宮朝日ホールで開催された斉藤由貴コンサート。今年3月の渋谷パルコ劇場以来、9ヶ月ぶりのソロコンサートです。前回のレポートでは「全編が一幕の舞台のよう」と記しましたが、今回もそう。斉藤由貴というキャラクターをまるごと楽しむステージでした。

 バックはピアノ、ベース、ドラムス、キーボード、コーラスの5人だけというシンプルな編成。会場が前回の劇場に代わって音楽ホールになったことで、音も格段によくなり、歌声がしっかり響きます。

 前回は13年ぶりのソロコンサートということもあり、歌うだけで精一杯というようすでしたが、今回はリラックスして、歌手のオーラが戻ってきたようです。

 しかし、マニアックな選曲はあいかわらず。1曲目はアルバム『MOON』に収録の「プラハリアン〜子供部屋の宇宙〜」。続いて3rdアルバム『チャイム』から「自転車に乗って」。こんな調子でシングルカットされてない曲が半分以上を占めてましたが、いっこうに気にならない。むしろファンにはうれしい構成でした。私の好きな「3年目」「予感」が取り上げられたのもうれしかった。

 今回は「実験コンサート」という趣向だそうで、面白いこころみもありました。
 『チャイム』に収録の「いちご水のグラス」という曲。この曲には谷山浩子さんがつけた別の詞があって、それが『風夢』収録の「ひまわり」という歌になったというエピソードがある。そこで、「いちご水のグラス」のメロディに使われなかった「ひまわり」の詞をつけて歌ってみるコーナー。
 また、「卒業」「初戀」「情熱」などの初期のヒットを当時のカラオケで歌ってみるコーナー。懐かしいアレンジにじーんとなったファンも多いのでは。キーも下げず、魅力の高音が変わらずに出るのはすばらしい。
 斉藤由貴さんが客席に質問を出してお客さんが応えるという「斉藤由貴カルトQ」コーナーも。

 客席には「卒業」「初戀」「情熱」3部作を作詞した松本隆さんがいらしていたそうで、緊張のあまり歌詞を忘れる場面もありましたが、それも持ち味。ふんわりのんびりしたトークともども、「斉藤由貴ワールド」なのです。しっかり構成されたコンサートではなく、何が起こるかわからない生の舞台を、客席も楽しんで、応援している。

 ラスト数曲とアンコールはしっかりと歌いきり、暖かい感動が残りました。斉藤さんが退場して、ステージに点灯したクリスマスツリーだけが残っても、拍手は続く。クリスマスイヴイヴにふさわしい、心温まるコンサートでした。

 来年もステージで歌う姿が見られることを楽しみにしています。

 20081223tree


<set list>

オープニング:「Ave Maria」 (アルバム『TO YOU』から)

  1. プラハリアン〜子供部屋の宇宙〜
  2. 自転車に乗って
  3. 土曜日のタマネギ
  4. 3年目
  5. ひまわり〜いちご水のグラス(歌詞・ひまわりver.)〜いちご水のグラス

    〜オリジナル・カラオケ・コーナー〜
  6. 卒業
  7. 白い炎 (21st century ver.)
  8. 初戀
  9. 情熱

    ☆斉藤由貴カルトQコーナー
     
  10. 12月のカレンダー
  11. Winter Wonderland (カヴァー)
  12. Christmas Night

アンコール

  • 予感
  • ケ・セラ・セラ (カヴァー)
  • Who


この日の曲が収録されたCD

Myこれ!チョイス ガラスの鼓動+シングルコレクション (2008)
 初期の名盤『ガラスの鼓動』の復刻にシングル曲8曲を加えたベスト。オリジナル盤にはない解説つき。
 「卒業」「初戀」「情熱」「土曜日のタマネギ」と人気曲はこれ1枚でおさえられる。

 : ガラスの鼓動+シングルコレクション

チャイム (1986)
 「自転車に乗って」「いちご水のグラス」「予感」収録。

 : チャイム

風夢 (1987)
 「ひまわり」「12月のカレンダー」収録。

 : 風夢

PANT (1988)
 「3年目」「Christmas Night」収録。

 : PANT

TO YOU (1988)
 「Ave Maria」「Who」収録。

 : TO YOU

MOON (1990)
 「プラハリアン」収録。

 : MOON

斉藤由貴 ヴィンテージ・ベスト (2008)
 「白い炎 (21st century ver.)」収録。
 「卒業」「AXIA」「土曜日のタマネギ」「MAY」など、15曲をリアレンジして新たにレコーディングした、「斉藤由貴の今」が聴ける最新アルバム。選曲も凝っている。

 : 斉藤由貴 ヴィンテージ・ベスト

posted by 腹巻猫 at 12:37| Comment(0) | TrackBack(0) | ライブ/コンサート