1月30日に放送されたNHKプレミアム10「手塚治虫 漫画、音楽そして人生」を観ました。
手塚治虫生誕80年・没後20年記念番組です。
手塚治虫と音楽に焦点を当てたユニークな企画。
NHKならではのマニアックな内容にうなりました。
NHKと縁の深い冨田勲先生は大フィーチャー。『ジャングル大帝』『リボンの騎士』の話などが紹介されました。そして、番組クライマックスは大阪大学交響楽団が冨田勲の指揮で「ジャングル大帝」テーマ曲を演奏するミニコンサートの映像。大阪大学が手塚治虫の母校であることから、この企画が実現しました。楽団の学生さんたちは得がたい体験をしましたね。
また、『W3』『悟空の大冒険』『ふしぎなメルモ』の宇野誠一郎や、80年版『鉄腕アトム』の三枝成彰、今年公開される映画『MW』の音楽担当・池頼広、さらには、昨年11月に発売されたアルバム『手塚治虫 その愛した音楽』の発案者である坂本龍一まで取材をしているのはさすが。
一連の虫プロ作品はもとより、『マグマ大使』、『海のトリトン』などのアニメ作品、実写作品の映像もたっぷり登場し、手塚作品と音楽のかかわりを知る上で、とても興味深い、見ごたえのある番組でした。
時間の都合からか、惜しくも、紹介されなかった作品もあります。
『バンパイヤ』『ミクロイドS』『三つ目がとおる』、NHKで放送した『青いブリンク』も。
もっとも残念だったのは、『火の鳥2772』『ブレーメン4』の樋口康雄さんが登場しなかったこと。
樋口さんは手塚治虫が冨田勲に次いで絶大の信頼を寄せていた作曲家です。
よい番組だっただけに、この点だけは惜しい。画竜点睛を欠いたと言うべきところでした。
とはいえ、アニメ・映像音楽に関心のある方には貴重な番組。
2月7日に再放送があるようなので、見逃したかたはぜひ!どうぞ。
◎手塚治虫 その愛した音楽
手塚治虫が生前愛聴していたアナログレコードから、娘・手塚るみ子が選曲したクラシックや映画音楽のコンピレーション。手塚治虫が創作の友に聴いていた音楽を聴くことができる。ブックレットには冨田勲の寄稿や手塚治虫所蔵レコードリストなども。