2009年05月29日

サントラシングルの復権!?「劇場版 天元突破グレンラガン 螺巖編」

 映画『劇場版 天元突破グレンラガン 螺巖編』のサントラがシングルCDで発売されました。

 サントラなのにシングル!? そう、収録されているのは劇中曲が3曲。岩崎琢さんが映画のために新たに書き下ろした新曲です。

 新曲・旧曲含め、劇場版フルサントラを1枚作るという選択肢もあったでしょうが、TV版サントラを持っている人には、これはこれでうれしい1枚。
 公式サイトでは岩崎さん自身による曲解説もアップされています(試聴もできます)。

 サントラがシングルCDで発売されることは珍しい。記憶に残る例では、日向大介によるTVドラマ『三姉妹探偵団』のサントラがシングルCDで発売されたことがあるくらい(主題歌アレンジBGMを収録した『仮面ライダーカブト』主題歌シングルのような例もありますが、あれは、あくまで主役は歌でした)。

 でも、考えてみれば50年代から70年代前半頃には、TVドラマ音楽や映画音楽の、歌ものでないインストゥルメンタルのシングル盤ってあたりまえにあったんですよ。「シングル盤で聴いて気に入ったからフルアルバムを買おう」ということも頻繁にありました。
 それだけ、「歌ものでない音楽(インスト=器楽曲)」の魅力とパワーがあったように思います。

 いまやサントラもネット配信で売られる時代。つまり、曲単体で買われる時代です。だから、この、「サントラをシングルで」というのは、新 しい可能性のある試みかもしれません。これなら、「サントラは出ているけれど、その後録音された追加音楽が発売されない」といった不満もうまく解消できる かもしれない。
 なんてことを思う1枚でした。
 もちろん、『グレンラガン』ファン、岩崎琢ファンは必ず買ってくださいね。


<収録曲リスト>

  1. そのまま黙って燃えてくれ〜天におわす神
  2. お約束と言う事で、ひとつ
  3. 俺の×××は宇宙一

劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇 サウンドトラック・プラス

 : 劇場版 天元突破グレンラガン 螺巌篇 サウンドトラック・プラス

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2009年05月22日

「ナースのお仕事」のスタッフ・キャストが送る「BABY BABY BABY!」

 5月23日(明日!)から公開される映画『BABY BABY BABY!』のサントラの仕事をしました。

 『BABY BABY BABY!』は、観月ありさ主演、両沢和幸監督の“出産エンタテインメント”映画。観月ありさ以外にも、松下由樹、伊藤かずえ、神田うの、吉行和子、藤木直人ら、『ナースのお仕事』の出演者が多数参加しています。
 個人的には斉藤由貴が出演しているのに注目。

 そして、音楽は鴨宮諒。
 元・ピチカートファイヴのメンバーで、『ナースのお仕事』シリーズすべての音楽を担当。マンシーニやバカラックをほうふつさせる、スキャットやフルート、ヴィブラフォンなどを使ったしゃれた音楽で評判を呼びましたね。

 しかし、今回の『BABY BABY BABY!』の音楽に同じようなおしゃれなテイストを期待すると拍子抜けするかもしれません。

 ピアノ、ギター、オルガン、マリンバなどを中心にした、シンプルな編成。ダバダバ・スキャットはなく、メロディアスであたたかい音楽になっています。
 でも、そのストイックともいえる音楽が、映画が必要以上に浮わついた印象になるのを抑えて、とてもいいのです。コメディではあるけれども、出産という人生の大切なイベントを扱ったこの映画には、笑いを守り立てる音楽よりも、ドラマに寄り添った音楽が必要だったのでしょう。
 なかでも、メインテーマとして使われるワルツ「Mama’s Waltz」が秀逸です。

 鴨宮さんの『ナースのお仕事』の音楽は、90年代のドラマ音楽に大きな影響を与えたと思うんです。そんな鴨宮さんの仕事を、ピチカート時代、マンナなどの音楽ユニット時代、『ナースのお仕事』時代、と振り返るよい機会でした。ピチカート・ファイヴといえば、『学校へ行こう!』サントラ、小西康陽による『シュガシュガルーン』サントラといった映像音楽の仕事の流れもあるので、いずれ検証してみるのも面白いかも(すでに誰かやっていそうです)。

 サントラ盤は公開に先駆けて、先週から発売中。映画をご覧になった方も、まだの方も、ぜひ手にとってみてください。

BABY BABY BABY! オリジナル・サウンドトラック

 : BABY BABY BABY! オリジナル・サウンドトラック

ナースのお仕事3+ ベスト・サウンドトラック
 これまでのシリーズの代表曲も網羅した2枚組ベスト盤。観月ありさ歌う主題歌も収録。

 : ナースのお仕事3+ ベスト・サウンドトラック

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2009年05月18日

5月16日 「交響曲宇宙戦艦ヤマト」25年ぶりの再演!

 5月16日、東京芸術劇場で開催された、大友直人プロデュースによる東京芸術劇場シリーズ第100回コンサートに足を運びました。

 大友さんが1992年から続けているこのシリーズ、100回目となる節目のコンサートは、同時代の映像音楽ばかりを選んだ意欲的な内容でした。

 「今生きている音楽をいっしょに楽しんでいただこう」という趣旨で、あえて、クラシックの大曲ではなく、映像音楽を選んだとのこと。

 目玉は、羽田健太郎作「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」の25年ぶり、初演と同じ大友直人指揮による再演です。

 第1部は、
 ・坂本龍一『戦場のメリークリスマス』テーマ曲
 ・三枝茂彰『太平記』から「はかなくも美しく燃え」、『優駿 ORACION』から“誕生”
 ・服部隆之『華麗なる一族』メインテーマ
 と小品中心の内容。

 三枝さんの作品はCDで聴いているとあまりわからないのですが、演奏会を見ると、なかなか難しい作品。シンプルな曲に思えて、ヴァイオリンの譜面は真っ黒でした。
 『太平記』からの曲は、オリジナルでは胡弓のソロが入りますが、今回は、ヴァイオリン(大谷康子)ソロで胡弓風に演奏。
 『優駿 ORACION』“誕生”と『華麗なる一族』メインテーマは合唱付きでの演奏でした。

 休憩をはさんで第2部が羽田健太郎作曲の「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」です。

 羽田先生がヤマトのモチーフをもとに書きあげた4楽章の交響曲。1984年にNHK交響楽団の演奏で初演され、レコード/CDと映像ソフト(ビデオ、LD、のちにDVD)になりました(演出は実相寺昭雄監督)。

 以来、一度も再演されてないのですね。

 そもそも、羽田先生が「楽譜はぜんぶチリ紙交換に出した」と言っていたので、この曲の譜面も残っているかどうか心配だったのですよ。
 さすがに演奏用作品なので、どこかに残っていたのでしょう。
 今回が25年ぶり、2度目の演奏ということになります。

 席が前のほうだったのでステージの譜面が見えたのですが、表紙には、

 「ヤマト交響曲
  KENTARO HANEDA」

とデカデカと書かれていました。
 これが羽田先生が作曲時につけていたタイトルだったようです。

 初演時は、川島和子(ヴォーカリーズ)さんと徳永二男さん(ヴァイオリン)、羽田先生自身(ピアノ)がソリストを務めましたが、今回は、ソプラノ:安井陽子さん、ヴァイオリン:大谷康子さん、ピアノ:若林 顕さんの3人がソロを担当しています。

 クラシックコンサートにはめずらしく、大友直人さんがマイクを持って羽田先生とこの交響曲のことを語っていたのが印象的。
 羽田先生、宮川先生と大友さんが、いっしょに音楽を作り上げていたそうなのですね。
当時、ものすごく苦労して書きあげたという話を、私も羽田先生から直接うかがったことがあります。
 第100回という節目にこの曲を取り上げた思いが伝わりました。

 初演当時20代だった大友さんも、すでに50歳。25年を経て、初演よりもよく練られた、奥行のある力の入った演奏になったと思います。ことにヴァイオリンとピアノのドッペルコンチェルトの形式で演奏される最終楽章「明日への希望」は2人のソリストとオーケストラ渾身の迫力ある演奏でした。

 アンコールは冨田勲の『新日本紀行』のテーマ。
 これも大友直人指揮、東京交響楽団の演奏でCD化されている作品です。
 ぜいたくな余韻に包まれたコンサートでした。

 それにしても、この「交響曲 宇宙戦艦ヤマト」、今手に入る映像・音楽ソフトがないのが、なんとも残念。

 紙ジャケット、りマスタリングで復刻された「宇宙戦艦ヤマト」生誕30周年記念CD-BOX(10枚組)もすでに入手困難。2005年に再発されたDVD版も同じです。
 再発が困難なら、今回のような貴重な再演の機会にレコーディングしてリリースしてくれたら…。


<set list>

第1部

  1. 坂本龍一 映画『戦場のメリークリスマス』テーマ曲
  2. 三枝茂彰 NHK大河ドラマ『太平記』から「はかなくも美しく燃え」(藤夜叉のテーマ」
  3. 三枝茂彰 映画『優駿 ORACION』より“誕生”
  4. 服部隆之 テレビドラマ『華麗なる一族』からメインテーマ(原典版)

第2部

 羽田健太郎(テーマ・モチーフ:宮川 泰)
 交響曲「宇宙戦艦ヤマト」
 Grand Symphony Yamato

  第1楽章「誕生」
  第2楽章「闘い」
  第3楽章「祈り」
  第4楽章「明日への希望」

アンコール

  • 冨田 勲 『新日本紀行』テーマ曲

 指揮:大友直人
 東京交響楽団

 ヴォカリーズ:安井陽子(ソプラノ)
 ヴァイオリン:大谷康子
 ピアノ:若林 顕
 混声合唱:東響コーラス


新日本紀行/冨田勲の音楽
 大友直人指揮、東京交響楽団の演奏で「新日本紀行」を収録。

 : 新日本紀行/冨田勲の音楽

華麗なる一族 オリジナル・サウンドトラック
 服部隆之指揮、ロンドンフィルハーモニア管弦楽団の演奏。

 : 華麗なる一族 オリジナル・サウンドトラック

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2009年05月17日

5月9日 鮎川麻弥 Acoustic Live!! 〜spring〜 @赤坂GRAFFITI

 鮎川麻弥さん、今年初のソロ・ライブは、2回目となる“Accoustic Live”。5月9日、赤坂GRAFITTIで開催されました。

 前回のライブが好評だったので、今回もバックはキーボードとギターだけのシンプルな編成。Mami's Voiceがたっぷりと楽しめるライブです。

 1部は白いドレスでキュートに、2部はオレンジのTシャツにベスト、黒いパンツというアクティブなスタイルで登場。20曲をたっぷり聴かせてくれました。

 今年はデビュー25周年となる鮎川さん。25年間、病欠が1回もないのが自慢だそうです。

 「3歳から歌い始めているけれど、歌っても歌っても、歌は奥が深い」

と歌への思いを語っていました。

 今回歌った曲では、1秒差で勝敗が分かれるレースの世界を題材にしたという「1 Second」、美しいヴォーカリーズが印象的だった「G線上のアリア」、生で歌うのは放映当時以来という「傷ついたジェラシー」(『重戦機エルガイム』挿入歌)などが心に残りました。
 アンコールはおなじみ「L-O-V-E」と「おやすみの微笑み」で。心地よい余韻の残るライブでした。

 今年は25周年記念ライブも予定しているそうなので、ファンは目が離せませんよ。


<set list>

1st set

  1. ここから
  2. 土曜日の恋、日曜日の朝
  3. Approach
  4. Good-bye to love
  5. LONG DISTANCE #813
  6. 宵やみはスローに…
  7. 1 Second
  8. STAR DUST BLUE
  9. 愛しいあなたはここにいる

2nd set

  1. G線上のアリア
  2. Change The World(エリック・クラプトン)
  3. やさしく歌って(ロバータ・フラック)
  4. 傷ついたジェラシー
  5. イリュージョンをさがして
  6. 星空のBelieve
  7. 風のノー・リプライ
  8. 夢見る頃を過ぎても
  9. Jump Up
  10. I LOVE YOU

アンコール

  • L-O-V-E
  • 「おやすみ」の頬笑み

鮎川麻弥公式ブログの鮎川さんコメントつきセットリスト


愛しいあなたはここにいる  [Maxi]
 「愛しいあなたはここにいる」「「おやすみ」の頬笑み」を収録。

 : 愛しいあなたはここにいる

ビューティ・パワー・スーパー・セレクション / 鮎川麻弥べスト
 「傷ついたジェラシー」「イリュージョンをさがして」「星空のBelieve」「風のノー・リプライ」を収録。

 : ビューティ・パワー・スーパー・セレクション / 鮎川麻弥べスト

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2009年05月04日

アニソンナイト収録終了!

 5月3日、NHKふれあいホールにて「BS熱中夜話」<アニソンナイト>の収録が行われました。

 来場いただいたみなさん、ありがとうございます。

 私は田中公平さん、唐沢俊一さんとともに、第1部(第1夜)に出演しました。
 第1部は水木一郎、堀江美都子のお二人をゲストに送る、カリスマシンガーナイト。

 司会は、びびる大木、田丸麻紀のお二人。ほかに喜屋武ちあきさんが1部・2部通しで出演しています。

 冒頭の自己紹介で「アニメソングが青春の歌だった」と話しましたが、これは掛け値なしで、ほんとに、高校生のころって、同級生がロックやニューミュージックを聴くようになっても、アニメソングやサントラばかり聴いてたんですよ。
 だから、今回の収録はとても幸せな2時間でした。

 歌もたっぷり聴けたし。

 収録の中ではじめて聞く裏話もありました。

 あと、80年代生まれの喜屋武ちあきさんが70年代のアニソンに詳しいのにびっくり。

 どんな曲が取り上げられたかは… 放送をお楽しみに!

 そして第2部(第2夜)は客席で観覧させていただきました。

 田中公平さん、神前暁さんの2人がメインで、新しいアニメの作曲家を語る<新世代作曲家ナイト>。
 菅野よう子、田中公平、神前暁の3人を分析する1夜です。

 これは、そうとうマニアックな内容ですよ。
 すばらしく面白かった。

 作曲家が作曲家を語るという、かつてない趣向。
 公平先生の菅野よう子分析なんて、ほかでは聞けません。

 神前暁さんが、自身の曲の構造を音源を示しながら解説するコーナーも、音楽づくりに関わっている人にはたまらなく興味深いのではないでしょうか。

 第1部も面白かったんですが、それでも予想の範囲内の面白さなんですよ。
 第2部は予想不可能の面白さでした。

 NHKおそるべし。

 May'n、福山芳樹の二人の生歌もすばらしかった。

 視聴者がついてこれるのか…、それだけが心配です…(笑)

 出演者・スタッフのみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。

 放送は、

 NHK BS2
  第1部 5月22日(金) 20:00〜20:44
  第2部 5月29日(金) 20:00〜20:44

 NHK BS hi
  第1部 5月25日(月)17:00〜17:44
  第2部 6月 1日(月)17:00〜17:44

見られる方はお見逃しなく!

☆出演者のブログ

堀江美都子公式ブログ Micchi's Hoihoi Days

喜屋武ちあきオフィシャルブログ きゃんちまいんち

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