2010年07月29日

「宇宙ショーへようこそ」の音楽へようこそ

 6月20日に公開され、まだまだ上映が続いている映画『宇宙ショーへようこそ』、ご覧になりましたでしょうか?
 舛成孝二監督と音楽の池頼広さんはTVアニメ『かみちゅ!』のコンビ。
 私と池さんとの出会いも『かみちゅ!』の音楽がきっかけでしたので、この映画には思い入れひとしおでした。

 サウンドトラック盤は映画公開より一足はやく発売されました。2010年夏の公開でしたが、音楽の録音は昨年行われていたのですね。CD2枚組で映画の音楽を使用順に完全収録。池さんの音楽がたっぷり楽しめます。
 映像にタイミングを合わせて作曲する、いわゆるフィルム・スコアリングの手法で作られているのですが、池さんならではのメロディアスな曲想がしっかり生きている。
 冒頭いきなりのアクションチューン「わさび畑の死闘」、懐かしい気持ちがわき起こる「夏合宿の朝」、わくわく感たっぷりの「新・月世界旅行」と、音楽を聴くだけで高揚感に包まれてしまいます。
 なかでも本編のテーマとなる「ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために」と名付けられた楽曲が感動的。名場面がよみがえります。
 クライマックスの音楽は「ヒーロー組曲」として収録。本来は1曲の音楽として構想されたもので、本盤の聴きどころです。
 池頼広音楽の歌姫・サシャ・アントニスの歌声ももちろん聴けます。今回は日本語の歌も入っているのに注目です。

 もともと「宇宙ものがやりたい」と言っていた池さん。『FREEDOM』や『COBRA THE ANIMATION』でその願いはかないましたが、ほんとうにやりたかったのは、こういう、少年の夢と冒険心にあふれた映画だったのではないでしょうか。

 エピローグの音楽、「きっと、また会える」「ただいま」を聴いていると、「いい映画を観たなぁ」「いい音楽を聴いたなぁ」という心地よい感慨がひたひたとわき起こってきました。日本の映画音楽の最先端はアニメ音楽にある。そう思わせてくれるタイトルであり、池さんにとってもまぎれもなく新しい代表作の1本になった作品だと思います。映画ともども、お楽しみください。

宇宙ショーへようこそ オリジナル・サウンドトラック
 ブックレットに池さん、舛成監督、落越プロデューサーの鼎談収録。ポチのステッカーつき。

 : 宇宙ショーへようこそ オリジナル・サウンドトラック

 ↓この作品の音楽も池さんでした。“やりすぎちゃった”感じが最高。

ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲- オリジナル・サウンドトラック

 : ゼブラーマン -ゼブラシティの逆襲- オリジナル・サウンドトラック

posted by 腹巻猫 at 07:23| CD

2010年07月24日

「スタートレック」完全版サントラ2タイトル

 ちょっと古い話題になってしまいましたが、6月に発売された、映画『スター・トレック』のサントラ2タイトルの話題。ともに海外盤です。

 まず2009年に公開されて熱心な「スター・トレック」ファンからも支持されたJ.J.エイブラムス監督の『スター・トレック』。マイケル・ジアッチーノの音楽が、いよいよ完全版で聴けるようになった!
 公開当時発売されていた15曲収録のサントラから大幅に増補された、44曲収録の2枚組。「THE DELUX EDITION」と名付けられた完全版が登場です。

 全体に当時のサントラはメロディアスな曲やアクション曲中心の編集で、メロディ感の薄いサスペンス曲やふわっとした情感曲が収録されてなかったんですが、それが補完されています。また、ごっそり漏れていた中盤のシーンの音楽も収録されました。

 初収録の曲では、"STAR TREK"とタイトルが出るカットの音楽「Main Title」がうれしい。短い曲だから最初のサントラではオミットされたのでしょうが、この曲があるとないとでは、サントラの雰囲気がずいぶん違う。
 クルーがエンタープライズに集結するシーンの"Enterprising Young Men"は、当時のサントラより長尺のものになっています。
 エンドクレジットは同じ音源ですが、何度聴いても感動的。映画の感動を追体験するには、格好のアルバムになりました。

 ブックレットはオールカラー28Pにエイブラムス監督のコメントとKerry O'Quinnによる解説を掲載。ただし、各曲解説や録音データ等はなく、資料性よりも写真メインのフォトアルバムといったおもむきです。
 DISCがエンタープライズ号の円盤部を模したデザインになっているのが「スター・トレック」ならではですね。

 Startrek_disc1 Startrek_disc2

 そしてもう1タイトルが、1984年の作品『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』。ジェームズ・ホーナーの音楽を収録した2枚組完全版が発売されました。

 『スター・トレックII』の成功で脚光を浴びたホーナーが意欲たっぷりに取り組んだ『スター・トレックIII』。力入ってます。
 こちらの2枚組は、フィルムで使われた楽曲を収録した完全版サントラ1枚と、当時のサントラを復刻した1枚の2枚組。というのも、当時のサントラは映画で使われていないテイクが収録されていたのですね。レコードとフィルムで音源が異なるのは、昔のサントラではけっこうあたりまえのことでした。2種のテイクの違いを聴き比べられるのがミソです。
 FSM(Film Score Monthly)レーベル発売なので、ブックレットは資料性も高く、読みごたえたっぷり(ただし、英語)。録音時のデータなどがしっかり残されているのがうらやましい。

 前作『スター・トレックII カーンの逆襲』の完全版も同じレーベルから発売されていますので、まだ入手していない人はぜひ合わせてどうぞ。タワーレコード、HMVなどの海外盤取扱店のほか、Amazonでも入手できます。

STAR TREK; -The Deluxe Edition-
 マイケル・ジアッチーノの『スター・トレック』完全版。

 : STAR TREK -The Deluxe Edition-

Star Trek III: The Search for Spock  -Newly Expanded Edition-
 『スター・トレックIII ミスター・スポックを探せ!』完全版。

 : Star Trek III: The Search for Spock  -Newly Expanded Edition-

Star Trek II: The Wrath of Khan  -Newly Expanded Edition-
 『スタートレックII カーンの逆襲』完全版。

 : Star Trek II: The Wrath of Khan  -Newly Expanded Edition-

posted by 腹巻猫 at 18:37| CD

2010年07月22日

Sister MAYO初ベスト発売!

 Sister MAYOさんの初ベストアルバム『Sister MAYO 1号』が発売されました!

 Cyber Nation Network(MAYOさんが参加していたユニット)のベスト盤はありましたが、Sister MAYOとしてのベストはこれがはじめて。おなじみの曲から、レアな曲まで、Sister MAYOの魅力が詰め込まれてます。ファンなら買うしかない!

 大ヒットした「呪文降臨〜マジカル・フォース」(『魔法戦隊マジレンジャー』エンディング)をはじめとした最近の戦隊ソング、本格的なソロデビューとなった「LOVE☆トロピカ〜ナ」(『ジャングルはいつでもハレのちグゥ』主題歌)のシリーズ、カワイイ路線を開拓した「ぷるるんっ!しずくちゃん」など代表曲がまとめて聴けるのがまずうれしいところ。

 珍しいところでは、MAYOさんも「いい歌だよね」と言う『パッタ ポッタ モン太』の主題歌2曲、『マスターモスキートン'99』の挿入歌「Oh My God!」、『ごぞんじ!月光仮面くん』2ndエンディング「カラフル」のカップリング曲「curtis creek」を収録。「Oh My God!」と「curtis creek」は、作詞もMAYOさん(クレジットは連名、もしくはCNN名義になってます)。特に「curtis creek」は当時発売されていたシングル盤でしか聴けなかった曲なので、ここに収録されたのは貴重ですよ。

 MAYOさんにインタビューしてブックレットに解説を書かせていただきました。インタビュー本体もWebで公開される予定ですので楽しみにお待ちください。

 同時発売で高取ヒデアキさんのベストアルバムも参上! ぜひ合わせてお聴きください。8月1日には、渋谷TAKE OFF 7でツーマンライブが予定されています。

Sister MAYO 1号

 : Sister MAYO 1号

高取ヒデアキ BEST ALBUM 参上!
 ボーナストラックも充実。ジャケットの和装は実家に伝わる由緒あるものだそうです。

 : 高取ヒデアキ BEST ALBUM 参上!

Cyber Nation Network ベスト
 Sister MAYOファンならこちらも押さえるべし!

 : Cyber Nation Network ベスト

posted by 腹巻猫 at 07:17| 仕事

夏に充実の1枚「ゴセイジャー」ソングアルバム

 7月21日『天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天装音楽館2 ゴセイソングフェスタ』が発売されました!

 毎年おなじみのソングコレクションですが、注目は、作曲に渡辺宙明、菊池俊輔の両巨頭がそろいぶみしたこと!
 宙明先生作曲の「データスハイパー天使と共に」は、久しぶりに詞先の歌。「東映作品で詞先は得意だったので」と、はりきって書き上げたそうです。最近の曲先の曲とは一味違う曲に仕上がってますよ。特に、歌詞の「…です」や2番の「データス!ダイナミッククラッシュ」の部分は、まともに書くと字余りになって苦しいところをうまく処理している。熟練の技が楽しめます。アレンジも宙明先生。歌はMoJoさん。
 菊池先生の「ドラスティック・グランディオン」は、「おれたちの船出」(『無限軌道SSX わが青春のアルカディア』主題歌)を思わせる、悲壮感ただよう歌い上げ系の曲。2010年になっても、新しい菊池節が聴けるのは感無量です。歌うは水木一郎! アレンジは亀山耕一郎さんですが、トランペットの響きが菊池サウンドオマージュっぽい(生ストリングスが入るともっとらしくなったところ)。間奏にも力入っています。

 ほかには、池毅作曲で串田アキラが歌う「フェスティバル」。この組み合わせはあまりないですね。池さんらしいダンサンブルな曲。
 劇中音楽を担当する三宅一徳さん作曲の「降臨!ゴセイグレート」は、合体ロボのBGMから発展した曲。BGMと挿入歌を連動させるスタイルは、戦隊音楽でおなじみの手法です。主題歌を歌うNoBの歌唱。
 「☆Fight☆」は、昨年「Jusice of Light」(『聖剣の刀鍛冶』主題歌)という名曲を生み出した作曲・岩崎貴文、歌・五條真由美歌のコンビ。アレンジも岩崎さんで、エレキギターの音が小気味よいロック調の応援歌に仕上がっている。五條さんはこういうカワカッコいい歌がほんとに合うなぁ。
 高取ヒデアキ作曲・歌の「闘え!そして糧を得よ!」は、高取さんらしいロックチューン。キャッチーなメロディと熱い歌唱に燃えます。
 「ゴセイナイトは許さない」は番組でもよく流れていておなじみの曲。三宅一徳の曲・アレンジ、宮内タカユキの歌唱とも燃焼度高く、アルバム中でも聴きどころの1曲です。

 新旧のクリエイター、アーチストが集結してヒーローソングの王道に挑んだ、充実のアルバムになりました。満腹感たっぷり。キャラソン路線をばっさり捨てた潔さも気持ちいい。夏バテを吹き飛ばす1枚としてぜひお聴きください。

天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天奏音楽館2 ゴセイソングフェスタ

 : 天装戦隊ゴセイジャー オリジナルアルバム 天奏音楽館2 ゴセイソングフェスタ

posted by 腹巻猫 at 06:57| CD

2010年07月13日

パーフェクト・ベスト・シリーズに倉田まり子、沢田聖子、麻倉未稀らも

 前のエントリで「鮎川麻弥 パーフェクト・ベスト」を紹介しましたが、同じシリーズで倉田まり子、沢田聖子、麻倉未稀ら、キングレコードで活躍していたアーチストの作品がぞくぞくとリリースされています。これが、意外にレアなアニメソングも入っていて見逃せません。

 『倉田まり子 パーフェクト・ベスト」にはアニメ『ナイン』の主題歌「真夏のランナー」と挿入歌「蒼いフォトグラフ」、『ナイン2』の主題歌「恋人宣言」が収録されました。「恋人宣言」は初CD化。「真夏のランナー」「蒼いフォトグラフ」と合わせて手に入るのはうれしいところです。あだち充の原作に芹澤廣明の音楽、というシフトはこの作品がさきがけとなり、『タッチ』で開花します。

 『沢田聖子 パーフェクト・ベスト』には、『赤ずきんチャチャ』から、エンディング「笑顔が好きだから」、挿入歌「夢を忘れない」、パッケージ版のオープニングに使われた「君色思い」を収録。「君色思い」はTV放映ではSMAPが歌ったものが流れていたのですが、ビデオやDVDでは、沢田聖子歌唱のものに差し替えられたんですね。CD時代になってから作品ですが、最近手に入りにくかった楽曲なので、これもうれしい。

 『麻倉未稀 パーフェクト・ベスト』は、「ヒーロー」(『スクールウォーズ』)、「What a feeling」(『スチュワーデス物語』)、「黄昏ダンシング」(『さよならを教えて』)、「RUNAWAY」(『乳姉妹』)といったドラマ主題歌が収録されて、ドラマファンにはたまらない1枚。アニメ『ジャスティ』の主題歌「孤独の戦士 ロンリーハンター」も収録されました。これも初CD化。「孤独の戦士」はもともとイメージアルバムで発表された歌がアニメ版にも使用されたという、「ゲゲゲの鬼太郎」と並ぶ珍しいケースです。

倉田まり子 パーフェクト・ベスト

 : 倉田まり子 パーフェクト・ベスト

沢田聖子 パーフェクト・ベスト

 : 沢田聖子 パーフェクト・ベスト

麻倉未稀 パーフェクト・ベスト

 : 麻倉未稀 パーフェクト・ベスト

posted by 腹巻猫 at 18:21| CD