桜庭一樹原作のTVアニメ『GOSICK-ゴシック-』のオリジナル・サウンドトラックが4月13日に発売されました。私は音楽・中川幸太郎さんのインタビューを担当しました。
『GOSICK』は角川文庫から発売中の連作ミステリー小説。20世紀初頭のヨーロッパを舞台にしたユニークなキャラクター設定の作品です。探偵役は人形と見まがうような美少女ヴィクトリカ。ワトソン役は日本人の少年・久城くん。2人のコンビが怪事件のなぞを解いていく物語です。と書くとライトノベルによくありそうな設定に映りますが、虚実の歴史をからませた背景描写とキャラクター造形のゆえに、深い印象を残すシリーズになっています。
アニメーション制作は『交響詩篇エウレカセブン』『STAR DRIVER 輝きのタクト』のbonesが担当。そして音楽は中川幸太郎。中川さんというと『百獣戦隊ガオレンジャー』や『仮面ライダーW』『仮面ライダーオーズ』『絶対可憐チルドレン』などのホーンを効かせた豪快な音楽が思い浮かびます。
ところが『GOSICK』の音楽はアクションもので聴かれる中川節とは一味もふた味も異なっている。
20世紀初頭のヨーロッパが舞台のミステリー、という題材に合わせ、クラシカルで重厚な音楽に仕上がっています。中川幸太郎の仕事の仲では現代音楽風のサウンドで仕上げた『プラネテス』に近い。これが『GOSICK』の世界観にみごとにフィット。音楽が作品の雰囲気を引っ張っている印象すらあり、引き込まれます。
中川さんとはこれまで『プラネテス』『轟轟戦隊ボウケンジャー』の取材でお話をうかがう機会がありました。今回のインタビューでは、一歩踏み込んで中川さんの作曲法についても聞いています。ブックレットには中川さんによる各曲コメントも掲載。『GOSICK』の個性的な音楽がどのように創造されたのか? その謎を解くヒントになるのではないかと。
CDは、作品に合わせた美麗なパッケージデザインが秀逸。ピクチャーレーベルやバックカバーまでもが美しい。ぜひ手にとってみてください。そして、アクション音楽だけでない中川サウンドの魅力と深さを聴いていただけたらと思います。
☆タワーレコードなどでは別デザインによるアナザージャケットなどの特典あり。
⇒『GOSICK ORIGINAL SOUNDTRACK』 チェーン別特典決定!!
☆主題歌シングルもよろしくです。
◎Destin Histoire yoshiki*lisa [MAXI]
『GOSICK』オープニング・テーマ。発売中。作曲の坂部剛氏は偶然にも中川さんと旧知の間柄なのだそうです。
◎Resuscitated Hope コミネリサ [MAXI]
『GOSICK』前期エンディング・テーマ。4月27日発売。