冨田勲先生の『惑星』は少年時代に繰り返し聴いた思い出深いアルバムです。後年になって、『月の光』や『展覧会の絵』のよさもわかるようになったのですが、SF少年だった私にはやはり『惑星』。アルバム全体が「音で描く宇宙旅行」になっているところなどたまらなく魅力的でした。
その『惑星』と『源氏物語交響絵巻』が、冨田先生自身の手でリメイクされ、6月1日に日本コロムビアより発売されています。4.0chサラウンドと2chステレオとのハイブリッド仕様。サラウンド環境で聴くのがおススメとのこと。
今回のリメイクは完全な作り直しではなく、サラウンド化と、当時の音に新しい音を重ねたり、音色を変えたりといった「お色直し」がほどこされています。大きな変更点は、新しい楽章「イトカワとはやぶさ」が付け加えられたこと。そう、7年間の宇宙飛行を経て小惑星イトカワから試料を持ち帰った〈はやぶさ〉をテーマにした曲です。
いっぽうの『源氏物語交響絵巻』は演奏と曲数が変わっています。前回のリリースはロンドン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏に上原まりの琵琶などをフィーチャーしたものでした。今回は東京交響楽団の演奏に坂田美子の琵琶などをフィーチャー。そして、前回はCD1枚16トラックだったのが、今回はCD2枚22トラックに拡大。「完全版」とうたった所以でしょう。
さて、このリメイク、「TOMITA ISAO PROJECT」の第1弾、第2弾で、このあとも続いていくもよう。願わくば、ぜひ、大河ドラマや手塚アニメ、特撮作品等のために書かれた雄大な映像音楽もこういう形で残してほしいと思います。
☆ISAO TOMITA PROJECT これぞ音楽の世界遺産!(コロムビア)
☆書き下ろし曲も加えた全編リメイク版・冨田勲「惑星(プラネッツ)Ultimate Edition」が6/1発売 (ファイル・ウェブ)
◎惑星(プラネッツ) Ultimate Edition [Hybrid SACD]

◎源氏物語幻想交響絵巻・完全版 [Hybrid SACD]

直近になってしまいましたが、7月8日にはトーク&サイン会も開催されます。18時から銀座のDENON銀座音楽倶楽部にて。イベントは入場無料で、『惑星』、『源氏物語幻想交響絵巻』に加えて、『交響詩「ジャングル大帝」≪2009年改訂版≫』のサラウンド試聴が予定されています。なかなか家庭
の環境では聴けない音響体験ができそうです。サイン会は整理券が必要で、タワーレコード渋谷店、新宿店、秋葉原店、横浜モアーズ店、タワーミニ汐留店に
て、『惑星 Ultimate Edition』あるいは、『源氏物語幻想交響絵巻・完全版』を買うと、先着で配布されるとのこと。
⇒冨田勲がトーク&サイン会を7/8(金)に開催。マルチチャンネルで『惑星』の試聴も (タワーレコード)