1974年公開の映画『砂の器』のオリジナル・サウンドトラック盤「砂の器 映画オリジナル音楽集」が発売されました。
音楽監督は芥川也寸志。作曲は菅野光亮が担当。
映画のみならず音楽も評判を呼んだ、映画音楽ファンには思い出深い作品です。
公開当時、映画音楽を観賞用に構成し直した「ピアノと管弦楽のための組曲「宿命」」というアルバムが発売されました。
が、これは映画で使用された音楽をそのまま収録したいわゆる「オリジナル・サウンドトラック」ではなかったので、サントラファンとしては、「本来のサントラが聴きたい」という思いがずっと残っていました。
今回のCDは、音楽マスターから劇中音楽を物語の進行に沿って収録した本当の意味での「サウンドトラック盤」。映画音楽ファン待望のアルバムが実現したわけです!
ミュージックファイルシリーズでおなじみ高島幹雄さんのお仕事。
小さい字が詰まったブックレットを見るだけでニヤニヤします。
とりわけ組曲「宿命」と映画音楽との詳細な検証は興味がつきない労作です。
作曲の菅野光亮さんは私の好きな作家の一人で、ドラマ『大空港』『白い地平線』などの音楽を手がけています。
加山雄三主演のTVドラマ版『ブラックジャック』の音楽もヒカシューと連名で担当。
ジャズピアニストとしても活躍し、ドラマチックな音楽を残しましたが、残念ながら44歳の若さで亡くなりました。
菅野光亮さんの仕事を振り返る意味でも、貴重なリリースです。
<松竹レコード>レーベルからはこちらも発売中!