2014年07月22日

「伊福部昭百年紀コンサートVol.2」

 「第4回 伊福部昭音楽祭」の興奮冷めやらぬ1週間後…。

 7月21日(月・祝)は、なかのZERO大ホールで開催された「伊福部昭百年紀コンサートVol.2」へ足を運びました。
 先週に続き伊福部昭の映画音楽作品のコンサートです。

 映画音楽をオリジナル・スコアになるべく忠実に演奏しようという企画の第2回です。
 曲目は

  • 「ジャコ萬と鉄」組曲
  • 「佐久間ダム」組曲
  • 「ドゴラ」組曲
  • 「ラドン」組曲
  • 「宇宙大戦争」組曲
  • 「ゴジラVSメカゴジラ」組曲

 今年2月に開催されたVol.1に続き、今回も堪能しました。
 特に「ドゴラ」「ラドン」のスピード感満点のオスティナート。きらめく金管が高速でかけめぐるような迫力の演奏は興奮ものでした。
 また、「佐久間ダム」などのときに繊細、ときにダイナミックなピアノもすばらしかった。
 「宇宙大戦争」のマーチの連打には思わず拳を握りしめ、「ゴジラVSメカゴジラ」では重低音がぐわんぐわん鳴る重厚なメカゴジラのモチーフに酔っぱらいました。
 ピアノのひじ打ちと全身を使って叩くパーカッションの大活躍。音もさることながら、見ていても熱気が伝わってくる演奏です。

 2階席のステージ正面の前から2列目という恰好の席で聴けたので、楽器の音がよく聴こえ、ステージ上でなにが行われているかもつぶさに見ることができて幸せでした。

 今回、ふつうのオーケストラ演奏会ではほとんど登場しないミュージックソウ(演奏用のこぎり)と電子オルガンが登場しました。
 もともとスタジオ録音を想定して設計・作曲された音楽ですから、楽器のバランスや特殊な表現を生演奏で再現するのは難しかったと思います。原曲とニュアンスが異なる曲もいくつかありました。

 しかし、それもまた演奏会ならではの面白さ。

 映画音楽のコンサートが原曲の再現なのか、コンサートならではの表現なのか、正解はなく、演奏家の考えもファンの意見もさまざまと思いますが、コンサートはコンサートとして一度限りの音との出会いを楽しめば、また新しい映画音楽を聴くよろこびがあるのかなと。

 今回用意されたスコアがこれからも繰り返し演奏されていくなら、また異なる解釈・演奏による名演が生まれる可能性もあるということですね。
 そういうのが、「音楽が生きて残っていくこと」なのだと思うのです。

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posted by 腹巻猫 at 11:43| ライブ/コンサート

「第4回 伊福部昭音楽祭」

 7月13日(日)東京・初台のオペラシティ・コンサートホールで開催されたコンサート「第4回 伊福部昭音楽祭」に足を運びました。

 いや〜、すばらしかったです。

 「伊福部昭音楽祭」2007年の第1回から通っていますが、第3回からしばらく間が空きました。
 それが、ゴジラ誕生60周年と伊福部昭生誕100年が重なったアニバーサリーイヤーでの復活。
 東宝の協賛のもと、すごい企画が実現しましたよ。

 全曲、和田薫さんの指揮、東京フィルハーモニー管弦楽団の演奏。

 1部は「日本狂詩曲」(校訂版初演)と「シンフォニア・タプカーラ」。
 パワフルでかつ愛情あふれる演奏に引き込まれました。

 2部が今回のハイライト。1954年公開の『ゴジラ』第1作の本編を上映しながら、音楽を生演奏で聴こうという趣向。
 本編の音声は台詞とSEで音楽はなし。つまり、生演奏の音楽つきで映画をまるごと1本鑑賞しようというイベントなのです。

 はたして、どうなるか…と期待半分、不安半分でしたが、さすが映像音楽のプロでもある和田薫さんの指揮。みごとな画あわせ、かつ、オリジナルの雰囲気を損 なわない演奏で違和感なく楽しめました。しかもこれ、厳密にはサントラの「再現」ではなく、音楽として自立できるように編成も増やし、スコアも演奏会用に 新たに書き下ろしているのです。実にリッチで得がたい映画体験・音楽体験でした。とりわけ、映画のラスト、ゴジラと芹沢が海の中に消える場面の音楽はサン トラで聴く以上に情感豊かで鎮魂の思いが伝わる名曲になっていたと思います。

 アンコールは「SF交響ファンタジー第1番」。これがまたスピード感のある現代的な演奏でかっこよかった。和田薫さんが幸せそうにノリノリで振っていたの が印象的です。アンコールとしてはボリュームのある選曲ですが、これは和田さんが自分で振りたいがために選んだのではないかと秘かに思っているのですが… (^_^)

 客層が非常に幅広かったのも印象的でした。

 もちろん、年季の入った特撮ファンらしき人も多かったのですが、若い人や女性が目立ちました。新しいファン層の開拓という意味で、また、そういうファンが コンサートに足を運ぶ機会を増やしたという意味でも、ここ数年の伊福部昭ブームとコンサートの回数が増えたことはよかったと思います。

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posted by 腹巻猫 at 11:37| ライブ/コンサート

2014年07月18日

「なつこん」不参加です

 7月19日(土)〜20日(日)の日程でつくば国際会議場で第53回日本SF大会「なつこん」が開催されます。

 例年SF大会の中でSF音楽イベント「空想音楽大作戦」を自主企画としてやってきましたが、今年は諸事情により不参加となりました。
 楽しみにしていただいたみなさま、申し訳ありません。

 またいつかお目にかかりましょう!

posted by 腹巻猫 at 13:06| イベント

2014年07月13日

「渡辺宙明トークライブ6」終了しました!

 7月12日(土)に阿佐ヶ谷ロフトAで開催した「渡辺宙明トークライブ6 〜月光ジャズ&蔵出し音源スペシャル」、終了しました!

 たくさんのご来場、応援、ありがとうございました!

 渡辺宙明先生をゲストに『忍者部隊月光』の音楽のお話をじっくりと。特にTV版2年目「マキューラ編」のモダンジャズとサーフミュージックを使った音楽について貴重なお話がうかがえました。

 また、休憩をはさんだ第2部では、なかなか紹介される機会のない渡辺宙明先生の舞台音楽、CM音楽、バラエティ番組・スポーツ番組等の音楽について語っていただきました。

 渡辺宙明先生をはじめとする出演者、スタッフのみなさま、ありがとうございました!

 常に最先端の音楽にアンテナを張り、自作に取り入れていく宙明先生のあくなきチャレンジ魂に敬服するばかりです。

 7月発売予定の『忍者部隊月光』音楽集2タイトルもよろしくお願いします!

 

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忍者部隊月光 音楽作戦 Vol.2
 7月16日発売。放映2年目「マキューラ編」の音楽を収録! モダンジャズとサーフサウンドが炸裂!

 : アルバム・ジャケット

劇場版 忍者部隊月光 オリジナル・サウンドトラック
 7月30日発売。劇場版のために新録された主題歌とBGMを完全収録!

 : アルバム・ジャケット


↓告知文(記録として残しています)

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posted by 腹巻猫 at 14:38| イベント

2014年07月09日

いよいよ今週末!「渡辺宙明トークライブ6」

 7月12日(土)13:00〜「渡辺宙明トークライブ6 〜月光ジャズ&蔵出し音源スペシャル」の開催が今週末になりました。

 紹介作品と宙明先生のお話は前回以上に興味深いものになりそうです。

 前半では宙明サウンドの核とも言えるジャズにぐぐっとアプローチ。

 後半の蔵出し音源スペシャルでは、舞台音楽、バラエティ番組、スポーツ番組など、なかなか紹介する機会のない作品も登場する予定。

 どうぞ、お楽しみに!

 また、会場では下記の物販を予定しています。

 CD「忍者部隊月光 音楽作戦Vol.1」(発売中)
 CD「忍者部隊月光 音楽作戦Vol.2」(7月16日発売)
 CD「劇場版 忍者部隊月光 オリジナル・サウンドトラック」(7月30日発売)

 個人誌「劇伴倶楽部Vol.9 渡辺宙明 TVドラマの世界[第2版]」(特別頒布)
 個人誌「劇伴倶楽部Vol.12 横山菁児の世界[第2版]」(特別頒布)

 個人誌は品切れしていたものを改訂の上、増刷しました。

 前売券はe+で発売中。
 詳細は下記を参照ください。
 ↓
 http://www.loft-prj.co.jp/schedule/lofta/24607

posted by 腹巻猫 at 05:31| イベント