「第4回 伊福部昭音楽祭」の興奮冷めやらぬ1週間後…。
7月21日(月・祝)は、なかのZERO大ホールで開催された「伊福部昭百年紀コンサートVol.2」へ足を運びました。
先週に続き伊福部昭の映画音楽作品のコンサートです。
映画音楽をオリジナル・スコアになるべく忠実に演奏しようという企画の第2回です。
曲目は
- 「ジャコ萬と鉄」組曲
- 「佐久間ダム」組曲
- 「ドゴラ」組曲
- 「ラドン」組曲
- 「宇宙大戦争」組曲
- 「ゴジラVSメカゴジラ」組曲
今年2月に開催されたVol.1に続き、今回も堪能しました。
特に「ドゴラ」「ラドン」のスピード感満点のオスティナート。きらめく金管が高速でかけめぐるような迫力の演奏は興奮ものでした。
また、「佐久間ダム」などのときに繊細、ときにダイナミックなピアノもすばらしかった。
「宇宙大戦争」のマーチの連打には思わず拳を握りしめ、「ゴジラVSメカゴジラ」では重低音がぐわんぐわん鳴る重厚なメカゴジラのモチーフに酔っぱらいました。
ピアノのひじ打ちと全身を使って叩くパーカッションの大活躍。音もさることながら、見ていても熱気が伝わってくる演奏です。
2階席のステージ正面の前から2列目という恰好の席で聴けたので、楽器の音がよく聴こえ、ステージ上でなにが行われているかもつぶさに見ることができて幸せでした。
今回、ふつうのオーケストラ演奏会ではほとんど登場しないミュージックソウ(演奏用のこぎり)と電子オルガンが登場しました。
もともとスタジオ録音を想定して設計・作曲された音楽ですから、楽器のバランスや特殊な表現を生演奏で再現するのは難しかったと思います。原曲とニュアンスが異なる曲もいくつかありました。
しかし、それもまた演奏会ならではの面白さ。
映画音楽のコンサートが原曲の再現なのか、コンサートならではの表現なのか、正解はなく、演奏家の考えもファンの意見もさまざまと思いますが、コンサートはコンサートとして一度限りの音との出会いを楽しめば、また新しい映画音楽を聴くよろこびがあるのかなと。
今回用意されたスコアがこれからも繰り返し演奏されていくなら、また異なる解釈・演奏による名演が生まれる可能性もあるということですね。
そういうのが、「音楽が生きて残っていくこと」なのだと思うのです。