4月14日(土)、東京国際フォーラム ホールAで開催された「角川映画シネマコンサート」に足を運びました。13、14日の2日間2回公演の2日目。
第1部が『犬神家の一族』の名場面を上映しながらのコンサート約90分。そのあと石坂浩二さん×大野雄二さんのトークショー。15分の休憩が入って、この時点で開演からほぼ2時間。
第2部は『人間の証明』と『野生の証明』の名場面を上映しながらコンサート、合わせて約90分。最後に映画中では聴けない「人間の証明のテーマ」と「戦士の休息」のフルコーラス歌唱。
アンコールを含めて、全3時間40分のボリュームです。
(前日の第1回公演に行った人の噂を聞いていた私は覚悟していたので長さも含めて楽しみました)
ダイジェストとはいえ濃い映画を3本も観てぐったり、となりそうなところですが、心地よい興奮と充実感が残りました。
演奏は大野雄二さんとこのコンサートのために集められたオーケストラ(名づけて“SUKE-KIYO”オーケストラ)。
公演オフィシャルページにメンバーが載っていますが、サントラ録音の現場でも活躍する名だたるミュージシャンたちです。
http://kadokawaeiga-concert.com/about.html
オリジナルスコアは残ってなく、オリジナル音源も一部を除いて聴けない状況で、大野先生、耳コピしながら膨大なスコアを起こしたそうですが、セリフやSEでよく聴こえないところは「新しく書いちゃった」とか。それだけでなく、「昔の音をそのまま再現するのは性分ではない」ということで、全体的に現代の大野雄二の音にアップデートされてます。オリジナルより音楽がゴージャスに聴こえる。
名場面上映の間に、スクリーンが暗くなって演奏だけをたっぷり聴かせるコーナーが何ヶ所か挟まれる。
純粋なシネマコンサートではなく、シンクロ上映+コンサートという趣向。
むしろ、コンサートの比率の方が大きい。
しかし、それがよかった。
純粋なシネマコンサートであれば、なるべくオリジナル・サウンドトラックを再現したアレンジと演奏が求められるところですが、本公演に限っては、「オリジナルに忠実にやってほしかった」というファンはいないでしょう。
作曲家本人が音楽監督と演奏を務めるコンサートならではの醍醐味です。
みんな、大野雄二のサウンドを聴きに来ているんだから。
その期待を裏切らない、すばらしい内容でした。
1部と2部、それぞれのラストに演奏された「愛のバラード」の大胆なアレンジ・ヴァージョンも実によかった。商品化希望です。
(記録として演奏メンバーを公演サイトからコピペしておきます)
大野雄二と“SUKE-KIYO”オーケストラ
大野雄二(音楽監督・ピアノ、フェンダーローズ) 市原 康(ドラム) ミッチー長岡(ベース) 松島啓之(トランペット) 鈴木央紹(テナーサックス) 和泉聡志(ギター) 宮川純(オルガン) Fujikochans[佐々木久美、Lyn、佐々木詩織](ボーカル・コーラス) 梶原順(ギター) 宮本一(シンセサイザー) 川瀬正人(パーカッション) 小竹満里(ティンパニー) 平原まこと(アルトサックス) 近藤和彦(バリトンサックス) エリック・ミヤシロ、鈴木正則、奥村晶(トランペット) 中川英二郎、半田信英、野々下與一(トロンボーン) 中川昌三、大澤明子(フルート) 庄司知史(オーボエ) 藤田乙比古、和田博史(ホルン) 小寺里奈 グループ(ストリングス) 斎藤葉(ハープ) 長須与佳(琵琶) MiMi(ハンマーダルシマー)
指揮:西谷 亮
ゲストボーカル:
松崎しげる(「戦士の休息」)
ダイアモンド☆ユカイ(「人間の証明のテーマ」)