

11月29日、上野・東京文化会館大ホールで開催されたコンサート「アレンジャーズ・サミット『音楽の料理人たち』」に足を運びました。
今は亡き名アレンジャー、服部克久、前田憲男、宮川泰、小野崎孝輔、森岡賢一郎、羽田健太郎が遺したスコアをオーケストラで演奏しようというコンサートです。
2000年代にBSで不定期に「音楽の料理人たち」という音楽番組を放送していました。
前田憲男、宮川泰、服部克久、羽田健太郎、ボブ佐久間ら、名だたる名アレンジャーがアレンジの腕をふるったスコアを本人の指揮によるオーケストラの演奏で聴かせる番組。
毎回楽しんで観ていました。
今回のコンサートは、いわば、それが生で聴ける趣向。
それぞれの作家の顔が目に浮かぶようなサウンドで、大感激でした。
第1部は「スクリーンミュージック名曲集」
前田憲男さんの「007メドレー」、本家シリーズだけでなく「カジノ・ロワイヤル」まで入っているのがしびれます。
ハネケンアレンジの「パピヨン」はピアノソロ入り。本人が弾く前提のアレンジなんでしょうね。途中でジャズになるのがハネケンぽくていい。ハネケンならどんな風に弾いたかな、と想像してしまいました。
「聖母たちのララバイ」「シェルブールの雨傘」「ある愛の詩」の3曲は今回のコンサートのための新アレンジ。それぞれに工夫を凝らしたアレンジで、岩崎宏美さんの歌もすばらしかった。
第2部は「世界の名曲」宮川泰先生のスコアを宮川彬良さんが指揮する曲が3曲。
一聴して「あー、宮川先生の音だー!」とわかる響きでうれしくなりました。
指揮する彬良さんも演奏するミュージシャンも実に楽しそうだったのが印象的。
最後は服部克久さん作編曲の2曲「愛おしきかな人生」「自由の大地」を渡辺俊幸さんが指揮して、悠々たる風格のある響きで締め。
実に感動的で充実したコンサートでした。
オリジナル・スコア準拠のサントラコンサートも魅力的ですが、名アレンジャーの技を聴かせるこういうコンサートも楽しいなとしみじみ思った一夜でした。
また企画してほしいです。