4月5日、上野東京文化会館小ホールで開催された「蒔田尚昊と冬木透の宇宙Vol.4」に足を運びました。
桐朋学園高校の同級生で結成された<桐柊会>によるコンサート。 学級担任が蒔田尚昊=冬木透先生だったことから、蒔田尚昊と冬木透作品を演奏するコンサートを毎年開催しています。小編成ながら、毎回工夫を凝らした選曲とアレンジが魅力。今回はパーカッションが2人になり、さらにクラリネットが加わって、これまでより音の厚みが増しました。
第1部が蒔田尚昊名義の純音楽作品。第2部が冬木透名義による映像音楽作品。
さまざまに表情を変えるクラリネットの音色も効果的でしたが、私はティンパニのうまさに舌を巻きました。
前回までは打楽器奏者が1人だったので、木琴、ヴァイブ、シンバル、小太鼓などをこなしながら、合間にティンパニを叩かないといけなかった。今回はティンパニだけで1人。新日本フィルの小島光さんの客演です。
音の粒立ち、強弱、長さ、リズムなどさすがの技術で、アンサンブルをしっかりささえていました。
ティンパニがベースラインを叩いているので、曲の骨格がびしっと決まっている。
次回もこの編成でやってほしいなぁ。
演目の中では「ミラーマン・コンチェルト」を楽しみにしていました。『ミラーマン』の楽曲をメドレー風につなげて協奏曲にアレンジしたものです。
聴くのは10年前のアートスフィアのコンサート以来。パーカッションが活躍する曲だけに、今回の編成にもぴったりでした。現代音楽風の「インベーダー!」の緊迫感など、この編成ならではの聴きどころです。
曲の合間には、冬木先生のトークコーナーも。高校の学級担任をやっていたころのエピソードが聞けたのが収穫でした。
コンサートも4回目となって、構成も演出もだんだんこなれてきていますね。
サプライズゲストには、ミラーマンとウルトラセブン(どちらも変身後)が登場して会場を沸かせました。ラストは冬木先生自らの指揮で「栄光への戦い(「交響詩 ザ☆ウルトラマン」より)」「ウルトラセブンの歌」を演奏して幕。冬木作品への愛に満ちた、あたたかいコンサートでした。
<set list>
第1部
- 【追悼演奏】トッカータ「ガラリヤの風かおる丘で」主のみことばについての黙想
- 牧水歌集 「なつかしき城山の鐘」「われ歌をうたえり」「ふるさとの尾鈴の山の」
「白鳥はかなしからずや」「幾山河越えさり行かば」 - ピアノとオーケストラのための協奏的作品 ト長調
- 黙示録による幻想曲
第2部
- ミラーマンコンチェルト
鏡の世界〜ミラーマンの唄〜SGMの唄〜インベーダー!〜明日に向かってジャンボフェニックス〜暗いミラーマン〜ミラーマンの唄(回想)〜戦え!ミラーマン - 交響詩 ウルトラセブン
第1楽章「ウルトラセブン」 第2楽章「怪獣出現」 第3楽章「ウルトラホーク発進」
第4楽章「侵略者の魔手」 第5楽章「さよならウルトラセブン」
アンコール
- 「栄光への戦い」(「交響詩 ザ☆ウルトラマン」より)
- 「ウルトラセブンの歌」